プレスリリース

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 「きぼう」日本実験棟における
新たな文化・人文社会科学利用パイロットミッション(芸術利用)
2テーマの実施について

平成21年5月1日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構では、宇宙での芸術表現などを通じて驚きや感動を発見することを目的に、文化・人文社会科学利用パイロットミッション(*)を実施しています。
 平成21年4月30日(木)に、下記の2つのテーマを実施しました。




実施テーマ 「飛天プロジェクト」
実施時刻 平成21年4月30日(木) 17:22〜19:20(日本時間)
代表研究者 お茶の水女子大学 名誉教授
石黒 節子(いしぐろ せつこ)
実施概要 敦煌の壁画や仏教絵画で描かれる「飛天」をヒントに、舞踊表現を通じて無重力空間における人の動きや姿勢の新たな美しさを引き出します。芸術として細部にまで工夫を凝らし、無重力ならではの浮遊環境を生かして、「飛天」の姿・形をイメージした動きや姿勢を表現し、作品化を通じて、地球上の平和を願うメッセージを伝えます。

実施テーマ 「Spiral Top」
実施時刻 平成21年4月30日(木) 19:20〜20:58(日本時間)
代表研究者 筑波大学 教授
逢坂卓郎(おうさか たくろう)
実施概要 「光」をモチーフにしたライトアートの試みです。LEDが点灯する独楽のような回転体を動かすことにより、3次元的な螺旋運動を光で造形化し、今までに見たことのない新たな表現世界を創り出します。また、記録した映像をもとに、宇宙飛行士が感じた新たな視覚体験を作品化し、地上から遠く離れた宇宙の感覚を共有することを目指しています。


【飛天プロジェクト代表研究者 石黒節子 お茶の水女子大学名誉教授のコメント】
私の身体は地上にありながら、イメージする頭の中はここ数年宇宙をさまよい続け、大変な日々でした。本日、若田さんのパフォーマンスでそれがひとつになり、感激いたしました。

飛天プロジェクトを行う若田宇宙飛行士 ユーザ運用エリアで若田宇宙飛行士の様子を見守る
石黒節子名誉教授(左手前)


【Spiral Top代表研究者 逢坂卓郎 筑波大学教授のコメント】
予想通りの動きが見れたので満足しています。特に、重りによって反転する動きは、コンピュータのシミュレーションだけで不安でしたが、それが実際にシミュレーションどおりに動いたので、満足しています。若田さんに感謝します。

LEDが点灯し回転しているスパイラルトップ ユーザ運用エリアで若田宇宙飛行士の
様子を見守る逢坂卓郎教授


*)文化/人文社会科学利用パイロットミッションについては、JAXA HPをご覧ください。
http://iss.jaxa.jp/utiliz/epo/index.html