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STAR計画(アジア太平洋地域のための衛星技術計画)の活動開始について

平成21年6月2日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2007年にアジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)において提案されたSTAR計画(Satellite Technology for the Asia-Pacific Region, アジア太平洋地域のための衛星技術計画)に関して、本年6月1日よりアジア太平洋地域の6宇宙機関(*1)からの参加予定者の受入れを開始し、相模原キャンパスでの活動を開始しましたのでお知らせします。

 今後、JAXA及びアジア太平洋地域の6宇宙機関の職員が参加する国際プロジェクトチームが、300-500kg級の地球観測衛星(EO-STAR)のシステム検討と、50-100kg級の技術実験衛星(Micro-STAR)の開発を、本年度から約3年間で行う予定です。

 JAXAでは、この活動を通して衛星開発分野におけるアジア太平洋地域の宇宙機関職員の人材育成の機会提供やアジア太平洋地域での地球観測衛星を増やし、これら地域の将来の地球観測ニーズに対応することを目標としています。

 今後予定される主な活動予定は以下のとおり。

  1. STAR計画参加の研究者・技術者向けの衛星技術セミナーの実施
  2. アジア・太平洋地域での小型の地球観測衛星ニーズの調査
    (各国の地球観測衛星データ利用機関を中心に調査。)
  3. 上記を踏まえたEO-STARのミッション要求分析、ミッション定義、システム検討(本成果をもとに、アジア太平洋地域の宇宙機関が地球観測衛星開発を行うことを期待。陸域と海洋等の観測を想定。)
  4. Micro-STARの企画、設計、製作、試験、打上げ及び運用
    (JAXAまたは他のSTAR計画参加宇宙機関ロケットの相乗り副衛星として、2012年頃の打上げを目指す。関係機関には打上げ機会、地上局リソース、必要機材等の提供を呼びかけている。)

(*1)今回参加の6宇宙機関
ANGKASA:マレーシア宇宙庁、GISTDA:タイ地理情報宇宙機関、ISRO:インド宇宙研究機関、KARI:韓国航空宇宙研究所、LAPAN:国立航空宇宙研究所(インドネシア)、VAST:ベトナム科学技術院/STI:宇宙技術研究所



別紙

STAR計画の経緯

  • 2007年12月:アジア太平洋宇宙機関会議(APRSAF-14)において、JAXAから小型衛星開発に係る新たな研究開発協力(APRSAF衛星協力)に関する提案を行った。
  • 2008年12月:APRSAF-15において、APRSAF衛星協力が「STAR計画」と命名された。また、2009年4月からのJAXA相模原キャンパスでの活動開始を歓迎することが、同会議の勧告に盛り込まれた。
  • 2009年4月:相模原キャンパスに本計画実施のための仮事務所を設置した。
  • 2009年6月1日:インドネシア(LAPAN:国立航空宇宙研究所)の研究者・技術者2名が本計画プロジェクトチームに参加するために相模原キャンパスに到着し活動を開始した。引き続き、タイ(GISTDA:タイ地理情報宇宙機関)、インド(ISRO:インド宇宙研究機関)、韓国(KARI:韓国航空宇宙研究所)、ベトナム(VAST:ベトナム科学技術院/STI:宇宙技術研究所)、マレーシア(ANGKASA:マレーシア宇宙庁)が研究者・技術者派遣の意向を示しており、各機関における派遣準備が整い次第、順次来日し活動に合流する予定である。