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産業応用、国際協力を目指した
「きぼう」でのタンパク質結晶生成実験の実施について

平成21年7月3日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟において、タンパク質結晶生成実験を開始します。本実験は、感染症等の様々な疾病の治療や環境・エネルギー問題など社会的に重要な成果に繋がる以下のタンパク質を対象に、産・学・官と協力して「きぼう」での利用成果創出を目的とし、平成24年まで6回の実験を行う計画です。

  • 文部科学省「ターゲットタンパク研究プログラム」と連携した学術研究や産業応用上、重要なタンパク質
  • 環境・エネルギーや医療問題等への貢献が期待されるタンパク質
  • タンパク質複合体など、地上では結晶化が難しいが、将来重要と見込まれるタンパク質の結晶生成技術の開発実証

 また、本実験では、ロシア連邦宇宙局(FSA)およびマレーシア宇宙庁 (ANGKASA)と国際協力を進め、各宇宙機関が提供したタンパク質が搭載されます。

  • FSA:FSAが6回のロシア輸送手段による打上げ・回収機会を提供する代わりに、JAXAは「きぼう」でのタンパク質結晶生成実験の機会を提供。「きぼう」を使った初めての国際協力実験となります。
  • ANGKASA:アジア諸国との国際協力の一環として、6回の実験にタンパク質を搭載する計画です。



参考情報

【第1回実験概要】
  • 打上 :平成21年7月24日(予定)  プログレス補給船(34P)
  • 回収 :平成21年10月11日(予定) ソユーズ宇宙船(18S)
  • 実験装置 :流体実験ラックのタンパク質結晶生成装置(PCRF)
  • 搭載タンパク質 :47種類 (内訳は表1参照)


表1 第1回実験の搭載タンパク質数
利用の枠組み搭載タンパク質数
国とのプログラム「ターゲットタンパク研究プログラム」との連携による利用 8種類
JAXAの利用(結晶生成技術の開発) 15種類
JAXAの利用(産業応用成果の創出) 8種類
民間企業等の成果占有による利用 1種類
国際協力による利用(ロシア) 10種類
国際協力による利用(マレーシア) 5種類