宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び自治体衛星通信機構(LASCOM)は、平成21年9月6日(日)に平成21年度和歌山県防災総合訓練に参加いたしました。訓練では、平成20年2月に打ち上げた超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の移動式の衛星通信用アンテナ(以下、可搬型地球局)を用いて高精細映像等の大容量のデータ伝送を行いました。これにより、災害時における大容量の衛星通信の有効性が確認できました。
1.実施結果
(1)訓練日時: |
平成21年9月6日(日) 9:00〜13:00 |
(2)実施場所: |
和歌山県御坊市野口 日高川ふれあい水辺公園 せせらぎ広場(以下、訓練会場)
※JAXA及びLASCOM参加会場 |
2. 実験内容
可搬型地球局をJAXA地球観測センター(埼玉県鳩山町)に1台と訓練会場に2台設置し、訓練会場には「県災害対策本部/現地本部/被災地」を仮想的に配置して、災害現場における「きずな」の通信システム及び地球局の実用性に係わる検証を実施しました。なお、実験概要は
別紙1のとおりです。
- (1)災害状況把握 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)防災マップの取得(マップは別紙2参照)
- 被災前後の状況の比較を行うため、訓練会場のパソコンから「きずな」経由でインターネットに接続し、「だいち防災Web」から、「だいち」の観測画像を利用した「だいち防災マップ」を取得しました。衛星回線を介して、被災前後を模擬した2枚の防災マップを取得して、災害の影響・範囲の概要を把握する訓練を行ないました。
- (2)災害情報の共有(実施風景は別紙1参照)
- 災害情報の伝達、指示、共有を実施するため、訓練会場の離れた2地点にハイビジョンテレビ会議システムを設置し、「きずな」経由(16Mbps)でその2地点間を結びました。ハイビジョン映像の特長を生かし、(1)で取得した「だいち防災マップ」の文字や被災状況地図も鮮明に映し出すことが可能になり、効果的・効率的に情報伝達、指示、共有を実施しました。
- (3)災害状況把握/陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)画像の配信(実施風景は別紙1参照)
- 被災地全体の状況を把握するため、「だいち」が宇宙から実際に撮影した高精細な観測映像を動画化してJAXA地球観測センターから、「きずな」経由で訓練会場に20Mbpsで伝送しました。被災地及び周辺の状況を広域に把握するデモンストレーションを行ないました。
別紙2
(だいち防災マップ)
(発災前)
(発災後)
(発災後マップのオレンジ枠領域の拡大図 左;発災前 右;発災後)