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日本経済新聞社主催 「第19回 日経地球環境技術賞」の受賞について

平成21年10月20日

宇宙航空研究開発機構

 このたび宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)GOSATプロジェクトチームは、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の開発と打上げに対して「第19回 日経地球環境技術賞」(日本経済新聞社)を受賞しました。日経地球環境技術賞とは、地球環境問題に関する調査、研究、対策技術の開発などで「地球環境保全と持続的な発展」に貢献する優れた成果に対して贈られる賞です。

 地球温暖化の原因となる大気中の二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの濃度分布は、これまでは地上や航空機の観測などで測定されてきましたが、観測点の数が少なく、多くの地域が未観測のまま残されていました。本年1月に打ち上げた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」では、宇宙から地球表面のほぼ全域にわたって温室効果ガスを観測し、大気中の二酸化炭素やメタンなどの微量な変化を4ppm(100万分の4)という高い精度で計測できます。観測点の数も従来の約200倍の56,000点と大幅に増加し、未観測地域を解消することが可能となりました。「いぶき」は打上げ後のチェックアウトと初期段階の校正・検証を終え、世界中の研究者にデータの提供を開始しています。今後、「いぶき」のデータが世界の研究者に活用され、地球温暖化の予測精度向上や科学的知見の充実に貢献できることを期待しています。

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」
軌道上想像図
「いぶき」の観測イメージ図