プレスリリース

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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)を用いた防災利用実証実験に関する
宇宙航空研究開発機構と高知県との協力について

平成22年3月29日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と高知県は、陸域観測技術衛星「だいち」を利用し、地震、風水害等の防災分野における有効性を検証することを目的とした防災利用実証実験を共同で実施することとし、平成22年3月29日に協定を締結いたしました。
 本協定は、高知県における河川のはん濫や土砂災害などに対する「だいち」の観測データの利用方法を二者間で確認し、東南海・南海地震を対象とした「だいち」からの情報と既存の防災情報との効果的な活用方法を検討することで、大規模な災害に対する防災情報の高度化を図り、将来の防災・減災業務への貢献に期待するものです。
 なお、締結した協定の主な内容は次のとおりです。


1.防災利用実証実験の主な内容
  1. 緊急時に備えた二者間の緊急時連絡体制の確立
  2. 災害発生時に備えた衛星画像及びだいち防災マップの提供方法の確立
  3. 高知県における防災分野での情報共有、及び衛星利用の検討
  4. 災害発生時における衛星画像からの解析情報を検証し、課題点を抽出
※だいち防災マップ…「だいち」の画像を利用し、道路の情報などを重ね合わせた地形図

2.上記に対する二者の役割
(1)JAXAの役割
  1. 平常時の衛星画像及びだいち防災マップの高知県への提供
  2. 高知県からの災害情報等を用いた高知県における衛星利用の検討
  3. 高知県からの観測要求を受け、「だいち」による被害推定地域の観測
  4. 被害推定地域の解析結果の高知県への提供
  5. 東南海・南海地震などに対する衛星技術の利用方法の検討
(2)高知県の役割
  1. JAXAが提供した平常時の衛星画像及びだいち防災マップの有効性を検討
  2. 土砂災害などの災害記録や防災業務に関する情報のJAXAへの提供
  3. JAXAが検討した衛星利用方法について、防災分野での有効性を検討
  4. 災害発生時における、災害地域の情報のJAXAへの提供並びにJAXAが提供する衛星画像及びだいち防災マップの有用性の検討及び課題点の抽出
  5. 東南海・南海地震などに対する衛星技術の地域での利用に関わるJAXAへの助言
3.協定の期間
 平成22年3月29日から平成23年3月31日(平成22年度末)まで。
 (ただし、双方のいずれかから解約の申し出がない限り、協定は1年間延長。以後同じ。)


■防災利用実証実験の概要

図1 防災利用実証実験の実施イメージ

■「だいち」のデータ活用事例
図2 だいち防災マップ(高知県)
(「だいち」画像の上に地図情報を重畳)
図3 地震災害の解析イメージ
(鳥瞰図イメージ)