宇宙航空研究開発機構
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成22年9月11日20時17分(日本時間、以下同様)に種子島宇宙センターから打ち上げた準天頂衛星初号機「みちびき」について、衛星バス機器ならびにミッション機器等の衛星各部の初期機能確認を計画通り進めております。これまで、この初期機能確認の中で姿勢制御系や通信系等の衛星バス機器の確認を行って参りましたが、今般「みちびき」搭載の測位ミッション機器の起動を行い、10月19日に測位信号のうちL1-SAIF信号(*1)をL1-SAIFアンテナ(*2)より送信開始しましたのでお知らせします。
今後、送信中のL1-SAIF信号がGPS等の既存の衛星測位サービスに干渉を与えないことを確認した後、他の測位信号(L1- C/A、L2C、L5、L1C、LEX(*3))をL帯ヘリカルアンテナ(*4)より送信開始し、同様に干渉を与えないことを確認しながら、段階的に出力を上げていきます。所定の出力での全信号送信は約1週間後を予定しています。
なお、当面の間は、測位信号の機能・性能の確認を行うため、一般ユーザが測位計算に利用することは出来ない設定になっています。
引き続き技術実証実施機関等(*5)と協力して搭載機器等の初期機能確認(打上げ後3ヶ月間)を実施します。
*1:L1-SAIF信号:測位補正情報、GPSの健全性に関する情報などを搭載したGPS補強信号
(“SAIF”は“Submeter-class Augmentation with Integrity Function”の略)
*2:L1-SAIFアンテナ:L1-SAIF信号を地上へ送信するアンテナ
*3:L1-C/A、L2C、L5、L1C信号: GPSが提供する測位信号との相互運用が可能なGPS補完信号
LEX信号:みちびき独自の実験用信号
*4:L帯ヘリカルアンテナ:L1-C/A、L2C、L5、L1C、LEXの各信号を地上へ送信するアンテナ
*5:国土地理院(GSI)、産業技術総合研究所(AIST)、情報通信研究機構(NICT)、電子航法研究所(ENRI)、
衛星測位利用推進センター(SPAC)