宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機は、3月30日(水)午前11時44分(日本時間)に第3回軌道離脱マヌーバを実施し、大気圏に再突入しました。
「こうのとり」2号機は、所期の目的である国際宇宙ステーションへの物資輸送を完遂し、本日の再突入をもって、約67日間にわたる全ミッションを終えました。
なお、再突入推定時刻及び着水推定時刻は下記のとおりです(日本時間)。
記
再突入※推定時刻 |
:平成23年 3月30日(水) 午後0時09分頃 |
着水推定時刻 |
:平成23年 3月30日(水) 午後0時21分頃〜0時41分頃 |
※:高度約120km |
参考リンク:より詳細につきましては、次のインターネットアドレスをご覧ください。
http://iss.jaxa.jp/htv/
宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機の
ミッション終了について
このたびの東北地方太平洋沖地震に際し、被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
本日、宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機は軌道離脱を実施し、計画通り大気圏に再突入し、所定の海域に安全に落下したものと思われます。
「こうのとり」2号機は、1月28日に国際宇宙ステーション(ISS)への結合に無事成功した後、約60日間、ISSに係留いたしました。その間に全ての船外及び船内貨物がISSへ移送され、本日の再突入をもって所期の全ての任務を無事に完遂することができました。
宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機は、ISS基幹システムの保全用船外機器や宇宙飛行士の飲料水など、従来スペースシャトルにより補給されてきた重要物資の輸送を担い、これにより、ISS全体運用に不可欠な輸送手段としての役割を果たしました。また、これにより国際宇宙ステーションの運用を担う一員としての我が国の地位の向上に大きく貢献しました。
また、技術実証機に続く、宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機のミッション成功は、我が国が独自に開発したISSへのランデブ飛行技術による有人対応型の無人輸送機の高い安全性・信頼性をあらためて示しました。宇宙ステーション補給機「こうのとり」を定期的に運用することにより、宇宙機の製造技術に加えて、将来の有人宇宙開発に向けて必要となる高度な運用技術がフライトディレクタを中心とした運用管制チームや技術支援チームにより、着実に蓄積されつつあります。
最後に、H-IIBロケット2号機による「こうのとり」2号機の打上げから本日の再突入実施に至るまでの任務完遂に際し、これまで多大なご協力、ご支援をいただきました国内外の関係機関の皆様方及び国民の皆様方に心からお礼を申し上げる次第であります。
今後も宇宙ステーション補給機「こうのとり」の打上げによる物資輸送を着実に遂行していくとともに、国際宇宙ステーション及び「きぼう」日本実験棟の利用を一層推進していく所存でおりますので、今後とも一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
平成23年3月30日
宇宙航空研究開発機構
理事長 立川 敬二