プレスリリース

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赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)の科学観測終了について

平成23年6月17日

宇宙航空研究開発機構

 平成18年2月22日に打上げられた赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)は、目標寿命3年を超えて観測運用を行い、赤外線天文学に関する多くの成果をあげてきましたが、平成23年5月24日に発生した電力異常による影響で、日陰と日照のたびに電源のONとOFFを繰り返す状態となっています(平成23年5月24日プレス発表済。)。
 この影響により、その後、通信や姿勢制御等の衛星運用の制約が大きくなり、科学観測を再開することが困難な状態であるとの判断に至りましたのでお知らせいたします。
 今後は引き続き電力異常の原因を調査するとともに、確実な停波に向けた運用を行っていきます。

参考:「あかり」の主な実績・成果

 「あかり」は、内之浦宇宙空間観測所からM−Vロケット8号機で打ち上げられ、日本初の赤外線天文衛星として、要求寿命1年、目標寿命3年を超えての運用を通じ、約130万天体に及ぶ「赤外線天体カタログ」を作成する等、赤外線天文学に関する多くの成果をあげてきました。得られた観測データの解析は現在も続けられており、昨年3月に公開した赤外線天体カタログは世界の研究者に広く使われています。

(1)平成18年5月31日 宇宙開発委員会報告
赤外線天文衛星「あかり」の観測開始と初期観測結果について
http://www.jaxa.jp/press/2006/05/20060531_sac_akari_j.html

(2)平成19年7月11日 宇宙開発委員会報告
「あかり」の現状について 観測開始から1年、「あかり」が見た宇宙
http://www.jaxa.jp/press/2007/07/20070711_sac_akari_j.html

(3)平成20年11月19日 宇宙開発委員会報告
赤外線天文衛星「あかり」の成果について
http://www.jaxa.jp/press/2008/11/20081119_sac_akari_j.html

(4)「あかり」の観測成果(プロジェクトページ)
http://www.ir.isas.jaxa.jp/ASTRO-F/Outreach/results/results.html