プレスリリース

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準天頂衛星初号機「みちびき」のルビジウム原子時計の冗長系切り替えと
測位信号提供の一時中断について

平成24年6月4日

宇宙航空研究開発機構

 平成22年9月11日に打ち上げられた準天頂衛星初号機「みちびき」において、平成24年6月4日1時42分(日本時間)、ルビジウム原子時計2を含む時刻生成系統が不安定となり、正常な測位信号が生成できなくなったため、直ちに測位信号の提供を一時中断(アラートフラグ*1を設定)いたしました。
 その後、冗長系のルビジウム原子時計1*2に切り替えを実施し、正常動作を確認後、「みちびき」の信号精度等に影響がないことを確認した上で、同日10時15分(日本時間)に、測位信号の提供を再開(アラートフラグを解除)し、現在は、測位信号の提供を正常に継続しております。
 原因究明につきましては、今後、技術実証を行いながら進めてまいります。

*1 アラートフラグ:「みちびき」の測位信号の利用ができない状態(アラート状態)を示すフラグ。アラート状態では一般ユーザは信号を捕捉しても受信機側で「みちびき」の情報を測位計算に利用できません。アラートフラグは軌道制御や姿勢制御の衛星運用、特定の技術実証実験によって設定することがあります。

*2 ルビジウム原子時計1は平成23年7月28日21時43分(日本時間)に発生した事象により電源をOFFしておりましたが、その後の原因調査により、ルビジウム原子時計1は正常であり、原子時計に電源を供給する搭載制御計算機の放射線によるシングルイベントまたは、部品の偶発故障が原因であることが判明しておりました。