プレスリリース

プリント

北極海海氷の観測データ解析結果について
〜北極海海氷の面積 観測史上最小に〜

平成24年8月25日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、7月3日から第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)による地球の観測を継続してきました。マイクロ波放射計が観測した海氷データを解析した結果、今年の北極海の海氷は、観測史上最も小さい面積を記録したことを確認しました。北極海氷の面積は、衛星観測史上最小だった2007年(425万平方キロメートル)より下回り、8月24日現在で、421万平方キロメートルまで縮小しました。
 2011年9月には、観測当時、史上2位の小ささにまで海氷面積は縮小しました。その後、冬から春の期間に氷の一部が大西洋に流失していたことが衛星画像から確認されています。今年は春の段階で、北極海のほぼ半分の海域が薄い一年氷(前年の夏以降に生成した氷)で広く覆われていたことが衛星画像の解析から分かっており、近年の北極域の温度上昇などに伴い、海氷が薄くなっていると推定されます。
 北極海氷は例年、9月中旬から下旬にかけて海氷面積が最小になります。融解最小時期に向けて北極海氷の融解は、まだしばらく続く見込みです。JAXAでは、今後も「しずく」による北極海氷の監視を続けていき、プレスリリースやウェブサイト等で最新の状況をご報告する予定です。


北極海の海氷密接度分布


2007年9月24日
Aqua/AMSR-E(アクア/アムサー・イー)

2012年8月24日
「しずく」/AMSR2(アムサー・ツー)[検証中]






北極海氷の画像につきましては、以下のWEBサイトに掲載しております。
◆地球観測研究センター(地球が見える)
http://www.eorc.jaxa.jp/imgdata/topics/2012/tp120825.html
 *HPに掲載されております画像は、自由にダウンロード可能です。
画像ご使用の際は、HPに掲載のとおりクレジット付与をお願いいたします。
特に記載のないものは「JAXA提供」、「(C)JAXA」などのクレジット付与をお願いいたします。

【参考URL】
◆北極海海氷モニターについて
北極海の海氷密接度の分布画像および海氷面積値情報は、JAXAが米国アラスカ州立大学北極圏研究センター(IARC)に設置しているIARC-JAXA情報システム(IJIS)を利用した北極海海氷モニターwebページ上で日々更新を行い、公開しております。
http://www.ijis.iarc.uaf.edu/cgi-bin/seaice-monitor.cgi?lang=j

◆第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)
http://www.satnavi.jaxa.jp/project/gcom_w1/index.html