(社)日本機械学会
(社)日本航空宇宙学会
(社)電子情報通信学会
文部省宇宙科学研究所
宇宙開発事業団
(財)日本宇宙フォーラム
第8回衛星設計コンテスト最終審査会を開催いたしますので、お知らせいたします。
本コンテストは、全国の大学院、大学及び高等専門学校の学生を対象としており、宇宙に関する研究を積極的に取り組む機会を提供するとともに、我が国の宇宙開発のすそ野の拡大に寄与しようとするものです。学生の自由な発想による小型衛星をはじめ、様々な宇宙ミッション・企画を全国から募集しましたところ、多数のご応募をいただきました。
書類選考による第一次審査の結果、この中から選ばれた作品について公開発表形式による最終審査を行い、優秀作品を決定・表彰する予定です。
日 時 | : | 10月22日(日)10:00〜18:00 |
会 場 | : | 東京都立航空工業高等専門学校 汐黎ホール 東京都荒川区南千住8-52-1 電話 03-3801-0145 JR常磐線、営団日比谷線「南千住」駅下車 徒歩15分 (会場への案内図) *当日は、直接会場へお越しください。(参加費無料) |
問い合わせ先 | : | (財)日本宇宙フォーラム 調査研究部 辻野・安藤 TEL 03-3459-1654 |
部 | 代表者氏名
学校名及び所属 テーマ名 | ミッション概要 |
---|---|---|
設計 | 中村大輔
北海道大学大学院工学研究科 停波した衛星の調査 |
過去に打ち上げられ、既に停波している衛星に対してランデブーやフライアラウンドを行い、そのターゲットとなる衛星の現在の運動や破損状況を静止画の撮影によって調査を行う。今回のミッションで得られる、宇宙開発の一端を担った衛星の現在の姿は、非常に価値のあるものである。また、これまでの衛星設計の問題点が見つかれば、より信頼性の高い衛星を製作するために重要な資料となる。 |
白石卓也
東京都立科学技術大学工学部 マイクロ波送電技術を応用した軌道上サービス衛星の基礎実験 |
衛星を母衛星と子衛星に分離させて、母衛星で発電した電力を子衛星にマイクロ波送電によって供給する。子衛星はその電力を用いて母衛星の周りを周回し、様々な角度から母衛星の静止画を撮影し、地上に画像データを送信する。子衛星は監視衛星、母衛星は監視対象を模擬している。軌道上監視衛星にマイクロ波送電技術を応用することの有効性の検討、およびそのための要素技術の取得を目的とする。 | |
宇井恭一
東京工業大学大学院理工学研究科 JetGun Sat 突風 [Toppu] |
本小型衛星は、次世代軌道上サービスの実現に必要不可欠な衛星の放出・回収技術、テザー技術、ガスジェット放射技術、衛星間双方向充電技術、衛星検査技術の獲得を目指し、小型ドッキング機構、リール機構、ガスジェットガン、CCDカメラ回転機構を提案・開発し、それらの技術検証実験を行う。特に、テザー衛星の低速放出、ガスジェットガンを利用した姿勢安定低速回収、さらに子衛星のガスジェット放射による姿勢変更実験を行う。 | |
アイデア | 後藤裕臣
日本文理大学工学部 太陽へのデブリ衛星投入計画 |
我々が提案するミッションは『太陽へデブリ化した人工衛星を投入する』ということである。このミッションは将来的に太陽へ地球上の核廃棄物、化学廃棄物などのゴミを投入するための実験である。まずデブリ化した衛星が存在する軌道において衛星を確保し、太陽へと運ぶために小型スラスターを装備させる。それと同時にDBSを太陽へ投入するための誘導衛星を水星周りの楕円軌道に配置する。地球上又はISSからの制御ではなく、誘導衛星でDBSを制御することによって、確実に太陽へ投入することができると我々は考える。投入の際、速度、軌道、衛星に加わる影響などを観測しデータを取得する。得られたデータを基にして確実に投入できるであろう軌道あるいは速度などを割り出していくのである。 |
野村晃司
日本大学大学院 理工学研究科 ストーム・インサイダー |
ダストストームは火星大気構造に大きな影響を与えていることは知られているが、ダストストームのメカニズムは解明されていない。そこで小型衛星のよるダストストーム観測を行う。火星までは、母衛星に輸送してもらい偏光観測によりダストストームの発生の確認ができるまで母衛星と共に火星の周回軌道を回る。母衛星から分離後は、発生したダストストームに対してドップラーライダーによる風の三次元速度分布観測と投下センサ(孫衛星)による内部の風、温度、気圧、湿度の観測を行う。その後孫衛星からの気象データを受信し、ドップラーライダーによるデータと併せて母衛星に送信し母衛星から地上局へとデータの橋渡しを行う。 | |
植田聡史
東京大学 大学院工学系研究科 Space Factory〜宇宙空間における大型構造物の組み立て〜 |
Space Factoryは宇宙空間において、大型構造物の組み立てを行う軌道上作業機です。Space Factoryは3機の衛星からなり、それぞれ「2本のロボットアームを持ち組み立てを行う」「構造物の部材を捕獲して曳航する」「太陽電池で発電する」といった働きをします。Space Factoryはランデブードッキング技術やロボットアームの技術等、実証済みの技術の応用であるため実現可能であると私たちは考えています。 | |
佐々木博幸
創価大学 大学院工学研究科 人工衛星によるレーザ干渉計型重力波検出システムGravitational-Wave Satellite(GRA-SAT) |
GRA-SATは、衛星で1kHz帯の重力波を観測する初の試みである。地上では絶対実現不可能な一辺75kmのマイケルソン型レーザ干渉計を塔載し、重力波を観測する。重力波は、ニュートリノよりもさらに浸透率が高く、宇宙の起源を観測することができる。重力波を観測することで天体や宇宙の情報を引き出す重力波天文学は、21世紀の天文学の新しい分野として期待されており、この衛星は大きな影響を与えるであろう。 | |
坂本 啓
東京大学 大学院工学系研究科 双方向デジタル放送を用いた地球鑑賞システム-Global Eye System- |
宇宙から見た地球の映像は感動的であるが、現在は日常的に見られる風景というわけではない。その風景が日常生活に組み入れられ、美しくも儚い地球の姿を俯瞰する視点が人々にとってごく当然となれば、環境問題などの問題解決に求められている地球規模の思考への抵抗感は減少するだろう。「Global Eye システム」は宇宙から見た地球の生中継動画像を、誰もが容易にデジタル放送を通じて視聴し、誰もが地球規模の視野を得ることを可能とする。 | |
中西洋喜
東北大学 工学部 The TAKO (Target Collaborativize)-Flyer(ターゲットを協力化させる衛星回収システム) |
故障衛星を回収する際、ロボットアームを持った無人のレスキュー衛星の使用が考えられる。しかしそのためにはターゲットとなる衛星が協力的(姿勢安定、グランプルフィクスチャーを装備)であることが要求される。しかし、既存の衛星が故障した場合そのようなことを望むことはできない。そこで故障衛星にソフトに抱きついてその姿勢を安定させ、ロボット衛星により回収が可能となるような機能を提供するTAKO-Flyerを提案する。 | |
有住聖子
東京都立航空工業高等専門学校 衛星写真を利用した人口密度分布の観測 |
このミッションは既存の地球観測衛星で撮影された、夜間の地上映像をもとに、夜間照明の明るさや、その分布のデータを解析して、人口密度を推定しようという試みである。リアルタイムの人口密度分布を知ることは、人口問題解決の手段の一つとして有効であると考えられる。解析方法としては、最新の夜間地上写真を用い、各ポイントの明度を測定し、その都市全体の明度を得る。次に、過去の人口密度データとの相関から現在の人口密度を推定する。さらに、その人口密度分布の推定データを、新たに作成したホームページで世界中に公開する。 | |
篠崎亮蔵
東京都立航空工業高等専門学校 ゼーベック効果による、宇宙空間での発電補助システム |
ゼーベック効果(半導体に温度差を与えると電流が流れる現象)を用いて、国際宇宙ステーション及び日本の実験施設『JEM』等から放出される廃熱を利用した、太陽光発電の補助機関となるような発電装置の提案及び実用化について。 |
審査委員長 | 三浦公亮 | 東京大学名誉教授 |
審査委員 | 吉川 真 | 宇宙科学研究所助教授 |
審査委員 | 狼 嘉彰 | 宇宙開発事業団研究総監 |
審査委員 | 大久保博志 | 日本機械学会宇宙工学部門長 |
審査委員 | 生田宏二郎 | 日本航空宇宙学会宇宙システム・技術部門委員会委員長 |
審査委員 | 近藤倫正 | 電子情報通信学会宇宙・航行エレクトロニクス研究会委員長 |
審査委員 | 鈴木良昭 | 郵政省通信総合研究所宇宙通信部長 |
審査委員 | 井上登志夫 | 三菱電機鎌倉製作所宇宙技術部主幹技師長 |
審査委員 | 白子悟朗 | SSC(Shirako Space Consulting) |
審査委員 | 伊藤浩弍 | 東芝 情報・社会システム社 電波・宇宙システム事業部宇宙事業推進部宇宙推進第1担当部長 |
審査委員 | 餌取章男 | 科学技術館副館長 |