プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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地球観測センターにおける変色土壌等の分析結果について

平成12年10月18日

宇宙開発事業団

 9月28日にお知らせした宇宙開発事業団地球観測センター(埼玉県比企郡鳩山町)における変色土壌等について当該土壌及び周辺の土壌汚染等の調査(環境庁の「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針運用基準」に基づくボーリング調査及び分析)を進めておりますが、判明した結果等について、以下のとおりお知らせします。(下表参照)

  1. 撤去した排水桝に付着していた変色土壌並びに桝撤去跡地の土壌(いずれも撤去済)及び採取した水を環境庁告示に基づく測定方法で分析するとともに排水桝周辺の土壌汚染等を調査するため、新たに21箇所のボーリング調査を行いました。その結果、撤去した排水桝に付着していた変色土壌並びに桝撤去跡地の土壌及び採取した水からは、環境基準を超えるシアンは検出されませんでしたが、ボーリング調査をした21箇所のうち、写真廃液用蒸発散槽の北側周辺である2箇所(a-5及びb-1)の土壌並びに1箇所(a-1)の水から、シアン(a-5は0.17mg、b-1は0.29mg、a-1は0.19mg、いずれも1リットルあたり)が検出されました。

  2. 上記1.と並行して、外部への拡散がないことを確認するため、新たに6箇所の環境モニタリング位置を設定し、ボーリング調査を行い、採取した土壌及び水を分析するとともに調整池の水及び池の周辺土壌を分析した結果、シアンは検出されませんでした。

 これらの調査及び分析結果により、外部への拡散がないことを確認しましたが、今回シアンが検出された部分については、関係機関のご指導を受けながら、土壌及び水を速やかに除去するとともに周辺土壌及び水についても状況を確認することとしており、確認結果を踏まえ、除去を行う等適切な対応を行います。なお、周辺への影響がないことを確認するための環境モニタリングの回数を増やし、引き続き、注視していくこととしております。

ボーリング調査の位置図

ボーリング調査の位置図(詳細図)及び汚染土壌等撤去計画

ボーリング調査及び土壌・水の分析結果

(1)No.40の排水桝直下の変色土壌等の分析結果

試料採取日 H12.9.26〜27
分析終了日 土壌:H12.10.5
水 :H12.10.2
試料採取位置分析結果(単位:mg/リットル)
土壌 桝外に付着していた土壌 不検出
桝撤去跡地の土壌
排水桝撤去跡地の溜まり水

(2)調整池の水等の分析結果

試料採取日 H12.9.29
分析終了日 土壌:H12.10.17
水 :H12.10.13
試料採取地点分析結果(単位:mg/リットル)
水門付近 不検出
池西側の水際
土壌 池西側の水際

(3)今回のボーリング調査による土壌・水の分析結果

試料採取日 H12.9.29〜10.4
分析終了日 土壌:H12.10.17
水 :H12.10.17
試料採取地点分析結果
(単位:mg/リットル)
試料採取地点分析結果
(単位:mg/リットル)
土壌 a-1 不検出
(注1)
a-1 0.19
a-3 a-3 (水なし)
a-4 a-4 (水なし)
a-5 0.17 a-5 (水なし)
b-1 0.29 b-1 不検出
b-3 不検出 b-3
b-4 b-4
b-5 b-5
c-1 c-1
c-2 c-2
d-1 d-1
d-2 d-2
d-3 d-3
d-4 d-4
d-5 d-5
e-1 e-1
e-3 e-3
e-4 e-4
e-5 e-5
f-1 f-1
f-2 f-2
g g
h h
i i
j j
k k
l l

【注】
  1. ボーリング箇所から浸みだした水を採取し分析した結果
  2. 試料(土壌・水)の分析(測定)方法a.土壌:「土壌の汚染に係る環境基準について」(平成3年8月23日環境庁告示第46号)に基づく測定方法(日本工業規格K0102の38に定める方法)による。b.水:「地下水の水質汚濁に係る環境基準について」(平成9年3月13日環境庁告示第10号)に基づく測定方法(日本工業規格K0102の38.1.2及び38.2、又は38.1.2及び38.3に定める方法)による。c.調整池の水・土壌:水は「水質汚濁に係る環境基準について」(昭和46年12月28日環境庁告示第59号)の「人の健康の保護に関する環境基準」に基づく測定方法を準用する。また、土壌は前a項を準用する。
  3. 土壌、地下水等の環境基準:「全シアンは検液中に検出されないこと」。なお、「検液中に検出されないこと(不検出)」とは、前2項により測定した方法において、その結果が当該方法の定量限界(0.1mg/リットル)を下回ることをいう。