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宇宙開発事業団(NASDA)2000年
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このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました
ETS-VIIのホイールの異常現象について
平成12年7月12日
宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
ETS-VIIホイールの異常現象について
ETS-VIIの3個のリアクションホイール
(参考-1)
の内2個のホイールの駆動信号が異常な増加を伴う変動を示すようになった。(平成11年12月25日及び12年1月13日以降)
異常を示すデータの例を
参考-2
に示す。
平成12年3月10日(衛星不可視中)にはピッチ軸ホイールの異常によるシステム異常検知機能が動作し、衛星はホイール制御モードからスラスタ制御モードに自動切替された。
原因究明状況
軌道上試験(コーストダウン試験)によりロストルク値及び起動トルクの増加を確認。(参考-3
(1/2)
(2/2)
)
FTA分析から衛星システムや駆動回路には問題なくホイール単体の問題であり、ベアリングの潤滑異常による摩擦の増加が原因であると推定。製造履歴データからベアリングの保持器の含浸油量が規定内ではあるが比較的少ないことが判明
FTAにおいて工程中の保持器の吸湿及び異物の悪影響も否定できない要因として残った。
関連情報
国産ホイールの技術導入先メーカにおいても過去ホイールの潤滑に起因する不具合が起きており、不具合対応の設計・プロセスの改善を実施。
ETS-VIプロジェクトにおける国産ホイールの地上寿命試験では-3500〜+3500rpmで約10年の実績があり、このレベルの品質を再現させることが重要と認識。
ホイールの製造工程の改善等の対策
保持器の含浸工程を改善(飽和条件を設定し、かつ含浸量の規程を見直す)
ベアリングユニットの工程内ランニング試験を窒素パージ下で実施(吸湿対策)
スクリーニング試験の追加(微少異物の検出力強化)
上記の改善を施した工程に対し確認会を実施
高速回転での使用にについては適用可能性の評価を含めた研究が必要
今後の衛星に対する対策について
OICETS、DRTS及びADEOS-II(4000rpm以下で使用)にはホイールの改修(対策を講じたベアリングユニットとの交換)を実施
ALOSは高速回転が必要なため実績のある海外他社の製品を再選定
ETS-VIIIはホイール仕様の検討中であり、その結果により対策品を使用または再選定
参考-4:NASDAにおける国産ホイールの使用実績
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