プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

プリント

技術試験衛星VIII型(ETS-VIII)大型展開アンテナ・小型部分モデルの展開実験(LDREX)の実施結果について(報告)

平成12年12月27日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. 経緯

 平成15年度夏期の打上げを目指し開発中の技術試験衛星VIII型(ETS-VIII)のミッション機器の一つである大型展開アンテナ(LDR)について、その設計の妥当性を確認することを目的に、アンテナ小型部分モデルを製作し、宇宙環境下での展開実験(LDREX)を実施した(別紙-1(1/2,2/2)参照)。アンテナ小型部分モデルは、平成12年12月20日午前9時26分(日本時間)に、南米フランス領ギアナ クールー射場よりアリアン5ロケット(AR508)により打ち上げられた。

2. 実験結果

 アンテナの展開結果について、本実験に係る画像及びテレメトリデータを日本に持ち帰り一次評価したところ、打上げ後予定どおりアンテナを固定している保持解放機構は作動したが、その後アンテナ自体が展開していない状態であることが確認された(別紙-2、3(1/2,2/2)参照)。なお、ロケットからLDREXへのコマンド送信及びロケット経由によるLDREXのテレメトリ、画像データの受信は正常に実施された。

3. 今後の対応

 現在、ETS-VIIIプロジェクトチームを中心とした事業団内の評価チームを強化し、確実なETS-VIII開発に資するため、詳細なデータ解析並びに原因究明作業を実施中である。また、理事長の諮問委員会である大型展開アンテナ技術委員会(第7回)を来年1月10日に開催し、本件についての助言を求める。