プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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H-IIロケット8号機の事故原因とH-IIAロケットへの対策について【要約版】

平成12年4月14日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会技術評価部会における報告資料の要約を、以下に掲載します。

1. はじめに

(1)前回の技術評価部会での報告事項

 前回の技術評価部会(3月24日)時点においては、インデューサ翼に疲労破壊を起こした要因を抽出し、インデューサ水流し試験及び7号機用LE-7エンジンを用いた燃焼試験にてデータを取得し、応力解析等の原因究明作業を継続中であった。

 また、原因究明作業は完結してはいないものの、LE-7Aエンジンなどへ向けた対策を中心として、H-IIAロケットへの対策を具体的に検討し、対策への取り組みについて報告した。

(2)今回の報告事項

インデューサ水流し試験及び7号機用LE-7エンジン燃焼試験結果を評価し、数値シミュレーション結果等と合わせて検討した結果、破壊に至る応力の発生が単独で起こりうる要因は得られなかったものの、

  • 減圧制御時のキャビテーションによる圧力変動
  • インデューサ入口近傍の圧力変動によるインデューサ翼の励振
  • 軸系の振動によるインデューサ翼の励振

により、設計時に想定していた変動応力よりも過大な変動応力がかかることがわかった。それに加えて8号機特有の条件(キャビテーション規模の差異、インデューサからの逆流で入口整流ベーンの一部が損傷した場合の変動応力の増加)が複合することにより、インデューサ表面の加工跡から亀裂が発生し、破壊に至ったものと推定した。

 LE-7Aエンジンへの対策については、今回事故原因が絞り込まれたことにより、FTPの圧力変動(キャビテーション、共振)、入口管整流ベーンの損傷、インデューサ翼の加工跡等の各事項につき具体的に検討し、必要事項について対策を講ずることとした。

 このうち、FTPのキャビテーションについては、開発当初から旋回キャビテーションの抑止設計を講じているものの、エンジン燃焼時等でのキャビテーション状態のデータは取得していないため、可能な限り速やかにLE-7Aエンジン燃焼試験、インデューサ単体水流し試験及びFTP単体試験を実施することで検証を行い、問題ないことを確認する必要がある。

2. インデューサ水試験結果報告

 液体水素ターボポンプのインデューサ破損メカニズムを解明するために、インデューサ単体による水流し試験を実施した結果を報告する。

 インデューサ水試験は、IHI横浜事業所(4000rpm)、及びMHI高砂研究所(9000rpm)において実施した。高砂ではFTP入口整流ベーンを装着した試験も実施した。

 インデューサ水試験の結果は以下のとおりである。

  • インデューサ翼に付加される応力は、旋回キャビテーション発生状態でも変動応力としては破壊推定値に対してはかなり低い。
  • 正常翼と異常翼では大きな差はみられない。
  • 入口整流ベーンを装着しても大きな差はみられなかったが、ベーンの歪みの周波数解析では4.2ω、5.4ω成分がみられた。

3. 7号機用エンジン燃焼試験結果報告

3.1 概要

 3月28日(試験番号:T7-226H)及び4月4日(T7-228H)において、FTP入口圧力をフライト模擬相当まで低下させた燃焼試験を実施した。なお、3月31日(T7-227H)については、プリバーナ点火器エキサイタースパークプラグの不具合により0.6秒でエンジンが緊急停止した。

3.2 データ取得結果

(1)全体

 T7-226H及びT7-228Hの試験結果を下表にまとめる。ほぼ計画のインターフェイス圧力を達成した。8号機フライト実績との比較では、8号機フライト相当のポンプ入口条件(PIF、キャビテーション係数、Q/Qd)を網羅するデータの取得ができた。変動圧センサについては、センサの不具合により、当初計画どおりの計測はできなかった。

  T7-226H T7-228H
FTP回転数(1/s) 688
(41319rpm)
686
(41153rpm)
インターフェイス圧力(PIF:MPa) 0.330 0.284
流量(QF:l/s) 484.25 480.47
流量比(Q/Qd)(参考) 0.96 0.96
インターフェイス温度(TIF:k) 20.62 20.60
NPSH(m) (F#8実績:312m) 335 270
キャビテーション係数Kw(参考) 0.048 0.038
(2)軸変位(振動)
  • T7-226H及びT7-228Hとも、FTPの半径方向の軸変位には1.1ωの非同期振動は明確に認められないが、旋回キャビテーションの兆候が見られた。
  • また、8号機用エンジンの領収燃焼試験でも同様に旋回キャビテーションの兆候が見られた。
  • 軸方向の変位には、3.6kHzのピークがあり、同様にインペラ背面圧力にもピークが発生している。
(3)圧力
  • 整流ベーン入口圧力には、整流ベーンの固有振動数に近い500Hz近傍に変動圧ピークが認められる。
  • インデューサ近傍下流側圧力には、3kHzから3.5kHz近傍に変動圧力のピークが認められた。
  • 燃焼試験では3ω以外の6ω、9ω、12ωが大きく現れているのに対して、水流し試験では3ω以外の成分が小さい場合もあり、画一的な比較は困難である。
(4)振動

 入口部振動半径方向には、3ω×Nの振動とともに、3.6kHzの振動ピークが認められた。入口部振動周方向には、3.2kHzの振動ピークが認められた。

4. 疲労破損のFTAについて

 表1 に試験検証等の結果を踏まえたFTAの検討結果を示す。過大な応力(振動)が発生した要因について検討した結果、単独で原因となりうる要因はなかったが、以下の4点が関与している可能性が考えられる。

(1) 入口圧が下がる時に発生するキャビテーションの状態によって定常の応力や変動の応力のレベルが高めとなることがありうると考えられる。
(2) インデューサ入り口近傍に存在する、翼の1次固有振動数付近の圧力振動成分による励振
(3) インデューサ直前の入口エルボの整流ベーンが損傷すれば、上記の圧力変動やキャビテーションの状態をさらに助長させる可能性が考えられる。
(4) 軸系に存在する翼の1次固有振動数付近の振動成分による励振

 これらの組み合わせによって、定常応力レベルの増加あるいは周期的に変動応力の振幅が大きくなる現象が発生し疲労破壊に至った可能性が考えられる。

 また、起点部に存在する加工跡がき裂発生を相対的に早めた可能性が考えられる。

5. 破損原因についての考察と現象のシナリオ

 破損に至る過大な応力が発生した要因について、それぞれの要因を考察し、現象のシナリオを推定する。

 5.1項では、応力解析の再評価結果を基に、破面の解析から実際に破面にかかった応力を推定した。5.2項では、このような変動応力が発生した要因を検討した。

5.1 変動応力範囲の再評価

 キャビテーションによる最大応力位置の変化の可能性等を考慮して、静的曲げ応力を見直し、水流し試験結果等に基づき、破壊に至った際の変動応力範囲を再評価した。

 また、金属材料技術研究所の協力により、破面観察結果から不安定破壊となった最終き裂形状及び材料特性値(破壊靭性値)から破損に至る最大曲げ応力を計算し、静的曲げ応力との差分を変動曲げ応力と求めた。

5.2 変動応力の要因

 インデューサ部では、整流ベーンとの干渉もあり、圧力が大きく変動している。FTAの結果から、変動応力の要因としては、この圧力変動によるものが主であると推定される。変動応力を発生する形態としては、次の2つが考えられる。

  1. 旋回キャビテーション等による強制振動
  2. インデューサ翼の固有振動数付近の変動成分をもつ圧力変動による翼の共振

 上記のそれぞれについて、発生する応力などの評価を行った。

(1) 旋回キャビテーション等による強制振動

 フライト中に実施される減圧制御を行うとキャビテーション係数が低下し、旋回キャビテーションが発生する。インデューサ水流し試験における応力測定結果に基づき、実機エンジンで発生する可能性のある応力を推定した。水流し試験からエンジンへの換算においては、旋回キャビテーションによる応力等、回転数の二乗に比例するものと、ランダム・キャビテーション崩壊による応力等、回転数の一乗に比例するものを区別しなければならない。

(2) インデューサ翼の圧力変動による翼の共振

 エンジン作動中にインデューサ翼近傍圧力には、インデューサ翼の1次の固有振動成分が認められている。インデューサ翼はこの圧力変動に励振されて振動(共振)する。

 (1)、(2)を合わせると、変動応力は破壊に至った応力の63%〜73%(CFD合成最大10%減では63%〜CFD合成最大では73%)程度となる。設計時にはインデューサの逆流と整流ベーンの干渉が大きいこと及び変動圧力に共振の要因となる成分があるとは想定してなく、キャビテーションに起因する変動応力は吐出圧力の一定割合と想定していた(注)。変動応力が、想定設計応力よりも大きかったことが、8号機でインデューサ翼の破壊を引き起こした要因のひとつである。ただし、これだけでは破壊には至らないため、さらに8号機特有の条件が重なって破壊に至ったものと推定される。

8号機特有の条件としては、

  1. インデューサのキャビテーション状況の個体差

    この原因として

    • 整流ベーンとインデューサの逆流の干渉の変化
    • 飛行時運転条件の相違
    • 入口フランジ部の目違いなどの幾何学的な誤差
  2. インデューサの逆流に起因する整流ベーンの損傷による変動応力の増加

     さらに、この状態で当該翼にき裂が発生する応力が生じたのは、

  3. 加工跡が最大応力部に存在したためである。
(注) LE-7エンジンの開発初期に液体酸素ターボポンプでは旋回キャビテーションの現象が明らかになり、設計変更などの対策を行ったが、液体水素ターボポンプについては、現に明確なものは認められなかったことに加えて、仮に発生したとしても液体水素は低密度であることから発生応力は小さく、軸受潤滑性能は酸素側に比べて厳しくないこと等から、軸系に与える影響等はわずかであると考え、特に対策はしなかった。

5.3 現象のシナリオ

 8号機事故の現象は、以下のとおり発生したと推定される。

(1) 飛行中の減圧制御時に旋回キャビテーションが発生し、低周波成分を含む変動圧力が印加され、変動応力が発生した。
(2) 運転中にインデューサ翼の固有振動数近傍の変動圧力により、翼が共振し、変動応力を発生した。
(3) 上記5.2項の8号機特有の条件により、変動圧力が増加し、上記(1)、(2)の応力が増加した。これらの応力が印加される箇所に加工跡が存在し、この応力集中により、インデューサ翼にき裂が発生した。
(4) 疲労亀裂が進展し、インデューサ翼に不安定破壊が発生し、ストールを伴うエンジン急停止に至った。
(5) 破断したインデューサ翼の衝突及びインデューサの接触による温度上昇、圧力上昇により、ケーシングAが破損し、液体水素が外部に漏洩するとともに、エンジンからの逆流が発生した。
(6) これらに引き続きエンジン各部が破損した。

6. 8号機事故原因に関するLE-7Aエンジン及びH-IIAロケットへの対策

6.1 LE-7Aエンジンへの対策

 H-IIロケット8号機LE-7エンジンの事故原因に関し、キャビテ-ションによるインデュ-サ羽根の直接励振、逆流と入口整流板の干渉による圧力変動による励振、入口整流ベ-ン損傷による圧力変動の増加、粗加工跡からの亀裂発生、タ-ボポンプ軸系の振動が複合して関連している可能性が高いことが判明した。これらに対するLE-7Aエンジンの設計、これまでの認定試験の現状、対策について述べる。

(1)圧力変動
(キャビテーションによる羽根の直接励振)

 LE-7AエンジンFTPでは、減圧制御時旋回キャビテーションは発生していない。LE-7ではFTP入口圧を下げると回転同期の1.1倍の振動が現れ、この振動は旋回キャビテーションによるものであることが明らかにされている。一方LE-7AではNAL-NASDA共同研究の成果に基づき、旋回キャビテーション対策として改良を施し、減圧制御をしてもこの旋回キャビテーションは発生していない。

 しかし、LE-7Aエンジンでは、事故原因究明のH-II7号機用LE-7エンジンを使用した燃焼試験で行ったようなインデューサ周りの変動圧力・振動データの取得は実施していない。このため、認定試験再開前に以下の試験を実施し、基本的に問題のないことを確認し、認定試験に入る。

  1. LE-7A燃焼試験

     実作動状態によるインデューサ周りの変動圧力・振動データの取得を行う。

  2. LE-7Aのインデューサ単体水流し試験

     インデューサの歪みデータ、圧力変動データ、等を取得し1.のデータと合わせて評価を行い実作動状態での問題のないことを確認する。また旋回キャビテーション及び他のキャビテーション形態による問題のないことの確認を行う。

 FTPの吸い込み性能については、LE-7から向上を図って設計変更を行っているが、限界性能の確認は解析のみで、液体水素を使用した実運転での確認を実施していない。このため、FTP単体試験で確認を行う(最小NPSH規定値は約153m)。 相生FTP単体ハ-フロ-ド試験で限界吸い込み特性を確認し、その後角田FTP単体試験で定格作動点付近でのNPSH規定値相当の確認を行う計画である。LE-7Aエンジン燃焼試験でも、これらのFTP単体試験で確認された範囲でフライト中に遭遇する低NPSHの確認を行っていく計画である。 LE-7Aでは旋回キャビテーションは発生していないが、これらの試験により、他のキャビテーション形態による問題についても確認を行う。

 なお、H-IIA第1段フライト時の液体水素ターボポンプNPSH予測値は、エンジン着火時の約400mからエンジン停止時の約230m程度となっている。これはフライト中の液体水素タンク圧の減圧(減圧直後は約260m程度)と、液体水素温度の上昇によるもので、もっとも厳しいエンジン停止時でも、規定値に対して約70mほどの余裕がある。

(逆流と入口整流板の干渉による圧力変動)

 共振の原因として考えられるFTPの上流にある入口エルボー整流ベーンは、H-IIAでは装着していないので問題はない。その他考えられるインデューサ出口ガイドベーン・インペラ背面圧力変動等の共振については、これからのLE-7Aエンジン燃焼試験で圧力変動データ等を取得し、認定作動範囲で問題のないことを確認する計画である。

(2) 整流ベ-ンの損傷

 上記と同様にH-IIAでは装着していないので問題はない。

(3) 加工跡

 加工後の精加工でより平滑にすることについて、検査方法を含め調査検討中。

(4) 軸系の振動

 燃焼試験中の振動計測等により、インデュ-サ共振等への影響がないことを確認して行く。

(5) 計測項目の見直し

 飛行時の計測項目については、水素系のテレメ-タサンプリング回数を増加し、かつインデュ-サの作動状況を監視できるようインデュ-サ出口圧をテレメ-タ項目に追加する事で調整中である。

6.2 H-IIAロケットへの対策

6.2.1 設計に関するもの

 従来から、外部専門家を含めたH-IIA評価チームを事業団内に組織し、H-IIAシステムの技術評価を実施している。また、今回の不具合がフライト実証された品目に生じていることを踏まえ、H-IIA総点検を実施し、H-IIからH-IIAへの変更点に限らず、H-IIA全体の要求、設計、製造、開発等に関する点検、評価を実施した。また、LE-7Aエンジンについては、総点検の他に製造に係る特殊工程アセスメントを行った。現在それらの結果のまとめを行っており、速やかに開発に反映したい。

 LE-7Aエンジンに関しては、具体的にろう付け、溶接の再評価を行っている。溶接部については、LE-7からLE-7Aへの改善を実施しており、例えば、従来板金加工した部品を溶接して製作していた大物部品は鍛造機械加工に、配管エルボはチューブ材の曲げ加工に設計変更するなどして、溶接部品点数の削減を行い、品質の向上を図るとともに、従来配管の溶接については、自動溶接に変更し表裏ビードの形状の適正化や溶接ミスマッチの低減など溶接品質の向上を図ってきている。また、ノズルスカートに使用しているろう付けについては、接合率など定量的な判定を行うために、今後マイクロフォーカスX線検査機を導入、適用計画を検討している。

6.2.2 開発試験に関するもの

 H-IIは、試験機1号機から数機連続して成功した後、運用段階で打上げの失敗が連続したことから、開発での確認が十分でなかったことが考えられる。こうした背景から、事業団は、H-IIAの開発内容について見直しを行い、開発の強化策を提案し、実施することとした。開発強化策の基本的な考え方は以下の通り。

(1) 試験において、厳しい条件の試験を実施し、設計余裕を知る。
(2) 解析での検証で良しとしていたものについても、再度見直しを行い、必要なものについては試験での確認を行う。

 具体的には,H-IIAの開発強化策として、以下の試験を行い、信頼性の向上を図ることとしている。

  • LE-7A燃焼試験 : LE-7A標準型として認定エンジンを追加製作(2台)し、より厳しい作動条件で燃焼試験、耐久性に関するデータを蓄積する。
  • LE-5Bの燃焼試験 : LE-5Bの信頼性向上対策として、より厳しい作動条件での燃焼試験(1台)を行い、耐久性に関するデータを取得する。
  • 固体ロケットブースタの燃焼試験
  • 誘導制御系のシステム試験 : 実機と同一仕様の機器(ソフト)で誘導制御系の組合せ試験を行い、機能を確認する
  • 試験機の追加 : 標準型の試験機を1機追加し、飛行実証の充実を図る

 8号機のLE-7エンジンの事故の直接原因に関連する試験については、6.1項に記述したように、FTPインデューサ水流し試験とエンジン燃焼試験での変動圧等の計測、FTP単体の限界NPSH確認試験を追加することとしている。

 また、LE-7Aエンジン開発の中で、エンジン全系シュミレーション解析ツールの充実を図り、高酸素インターフェイス圧力試験などリスクのある試験については事前にシミュレーション解析を行い、より確実な開発に資することとしている。

6.2.3 その他
(1)情報化

 H-IIAの開発及び運用の効率化を目的とし、H-IIのデータ管理システム等を高度化させ、射場システムの高度情報化を進めているところである。本システムは1999年4月より実施したGTV-1前半試験にて、一部機能の確認を行い、来年度に予定しているGTV-1後半にて、全機能の確認を行う予定である。

(2)材料基礎データの取得

 H-II8号機の事故の原因が、材料設計不良によるとは考えていないので、材料設計の見直しは考えていない。但し、材料データは必ずしも十分でないので基礎的研究の充実を図ることとしたい。

(3)故障診断システム

 エンジンを含む推進系における故障診断システムは、例えば、エンジンの不具合の特徴をデータベース化し、その結果から最適な診断システムを構築し、試験の中で並行して確認していく必要がある。過去、特殊なガスを用いた漏洩の可視化や、ノズルスカートからのプルームの分析による故障診断など研究で実施してきているが、故障診断システムの開発を行うには、こうした検査技術の熟成やデータベースの構築が重要であり、今後さらに長期的検討を推し進めたい。

(4) 計測技術の向上

 エンジンの作動状況を的確に把握するため、相応する計測技術の向上を図るための研究を行いたい。

(5) 飛行に使用した第1段エンジンの回収

 信頼性向上のためのデータの蓄積は、基本的には地上試験の強化により行う。

 将来の再使用ロケットにも関連する技術であり、引き続き検討する。