プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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第51回国際宇宙連盟(IAF)大会等の開催結果について

平成12年10月18日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. IAF大会

(1)日時:

平成12年10月2日(月)〜6日(金)

(2)場所:

ブラジル国リオデジャネイロ市 リオセントロ会場

(3)大会概要:

 テーマ「Space: a tool for the environment and development」のもと、26のシンポジウムにおける合計105のセッションにて発表が行われたほか、10のプレナリー・セッションおよび各種ソーシャルイベントが開催された。
 参加者は46カ国約2,200名で、そのうち日本からは約100名(うちNASDAからはIAFの会長を務める五代副理事長以下26名)が参加した。
 また、IAFでは学生の参加を推進しており、NASDAは昨年に引き続き今年も学生招待プログラムにより16名の学生を派遣した。

(4)IAF大会開会式

 五代IAF会長が基調講演で、第51回大会の意義、20世紀と宇宙開発、21世紀への展望、21世紀のIAFについて述べ、これまで先進国中心だった宇宙開発を発展途上の国々を含めて推進する点を提案、IAFがこの活動の中心的な組織となるよう期待を述べた。
 なお、IAF事務局インターネットウェブサイトに基調講演を動画入りで掲載することとなった。

(5)IAF総会

 年間活動報告、新入会員と年会費の承認,各国際宇宙会議(IAC)の準備状況報告、各委員会の活動状況報告、各賞受賞者の発表承認、出版活動報告、他国際機関会議への参加状況報告、会計報告が行われた。新会長にバルボーサ(ブラジル)が選任され、合わせて新副会長(新任:ドーダン(仏)、アレファノフ(ロ)、スウィーティング(英)、再任:チェン(中国)、マリア・アミレツ(メキシコ)、ホフモク(ノルウェー)、オルドリッチ(米))が承認された。五代会長は前会長として理事会にとどまる。また総会後、記者会見が行われた。

(6)展示会

 宇宙科学研究所と共同でジャパンブース(面積144m2)として出展した。企業からは8社(ロケットシステム、NEC、東芝、三菱電機、三菱重工、川崎重工、石川島播磨重工、IHIエアロスペース)がパネル、模型等の展示で参加した。
 全体としては、約1万7百m2の展示スペースに出展し、一般公開日の入場者は約800名であった。

(7)次回以降開催予定

第52回大会: 平成13年10月1〜5日 ツールーズ(フランス)
第53回大会: 平成14年10月14〜18日 ヒューストン(アメリカ)
第54回大会: 平成15年10月 ブレーメン(ドイツ)
 

2. IAF各種委員会

 

 下記の各種委員会が開催され、五代IAF会長他が出席した。

(1) IAF財務委員会 (平成12年9月30日(土))
(2) IAF理事会 (平成12年9月30日(土)、10月4日(水))
(3) 世界教育ワークショップ (平成12年10月1日(日))
(4) IAF国際プログラム委員会(IPC)
(平成12年10月2日(火)、4日(木)、6日(金))
(5) スペースウイーク理事会 (平成12年10月3日(火))
(6) IAF/COSPAR第2回世界宇宙会議(WSC-II)合同プログラム委員会(JPC)
(平成12年10月5日(木))

3. UN/IAFワークショップ

 UN/IAFワークショップは、9月28日(木)から9月30日(土)までの3日間、ブラジル・サンホセドスカンポスにて開催された。約60名が参加し、テーマ「Operational Strategy for Sustainable Development using Space」の下、熱帯地域のための宇宙技術、都市地域の問題、その他、UNISPACE-IIIのフォローに関する発表および討論が行われた。
 国連(UN)のP..Lala 氏の司会による開会式において、宇宙科学技術の持続可能な発展、その手段としての宇宙について、また、世界における宇宙科学技術情報の偏在、これの是正を訴え、宇宙科学技術情報の正しい認識、これらの利用戦略の認識を高める必要性を五代IAF会長がキーノート・スピーチで述べた。

4. 第8回宇宙機関会議(SAF)

 10月5日、第51回IACに併せ開催された。主な議題は、各国宇宙政策と国際協力, 宇宙分野における教育,宇宙プログラム、気候および天気予報などで、日本からは、東京で開催された第7回アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-7)について報告を行った。なお、本会議のあり方(議題、討議の内容等)について、再検討する必要があるのではないかとの意見が出され、次回開催国の議長に一任された。

5. 学生プログラム

 昨年からIAFが進めているIACへの学生参加推進事業への協力として、学生16名(日本人14名、タイ国1名、キリバス共和国1名)を本大会へ派遣した。学生派遣としては、ESA105名、ブラジル96名、アルゼンチン2名の参加があった。学生は、本大会のセッション、IAF主催イベントに参加したほか、ESAの学生と積極的な交流を図った。今後、学生から10月末に参加報告書が提出される予定。

6. ブラジル宇宙週間

 ブラジル・サンパウロ市、SESCにおいて10月9日に開催された、ブラジルの学生・生徒に対するイベントにおいて五代副理事長が挨拶を行うと共に、NASA局長・宇宙飛行士とプレス発表に同席した。



国際宇宙連盟(International Astronautical Federation)の概要

 世界の宇宙機関、学会、企業等を会員とする国際団体。
 1950年に設立され、今大会の結果38カ国から162団体の加盟となっている。

 平和目的の宇宙航行の発展を図り、世界規模での技術情報の配布を進め、宇宙工学の研究を促すことを目的とする。毎年、国際宇宙アカデミー(IAA)及び国際宇宙法学会(IISL)と共同して国際宇宙会議(IAC: International Astronautical Congress ) を開催している。

 日本からは、事業団の他に、日本航空宇宙学会、日本ロケット協会、日本宇宙航行学会、(社)経済団体連合会・宇宙開発利用推進会議、三菱商事(株)、三菱重工業(株)、三菱電機(株)、日本電気(株)、IHIエアロスペース(株)が加盟している。また、東芝(株)が新規加入した。

 IACは、総会、論文発表および展示会から構成される。 参加者は例年2,000名強(日本からは約100名)。 IAA,IISLおよびIAF/国連ワークショップと共同で合計1,000編程度の論文発表が行われている。

今年度のIACのセッション一覧

1. 宇宙力学 2. 地球観測 3. 自然災害軽減
4. ライフサイエンス 5. 材料・構造 6. 微小重力科学
7. 衛星通信 8. 宇宙教育 9. 宇宙探査
10. 宇宙発電 11. 宇宙推進 12. 宇宙ステーション
13. 宇宙システム 14. 宇宙輸送 15. 宇宙活動の経済性・商業化
16. 宇宙航行史 17. 宇宙計画・政策 18. 安全・救助・品質
19. 宇宙活動と社会 20. 地球外文明探査 21. 船外活動・宇宙服
22. 小型衛星ミッション 23. 先端材料科学 24. 国際月/火星探査
25. 宇宙法 26. 学生による会議
計26セッション