プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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国際宇宙ステーション ロシア・サービスモジュール「Zvezda」(ズヴェズダ)の打上げ及び宇宙機関長会議(HOA)の結果について

平成12年7月19日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. 報告事項

 国際宇宙ステーション(ISS)の3番目の要素であるロシア・サービスモジュール「Zvezda」(ズヴェズダ、ロシア語で「星」の意味)の打上げ結果及び初期運用状況、並びにロシア航空宇宙庁(RASA)で行われた宇宙機関長会議(HOA:Heads of Agency)の結果について報告する。

2. サービスモジュール打上げ結果及び初期運用状況

 サービスモジュールは、本年7月12日午前10時56分(バイコヌール時間)[日本時間7月12日午後1時56分)]カザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地から、ロシア・プロトンロケット改良型(3段式)により打ち上げられ、軌道投入、太陽電池パネル展開等の一連のシーケンスが予定通り行われた。

表1 サービスモジュール打上げ主要イベント結果
イベント時刻(モスクワ時間)
(計画)
時刻(モスクワ時間)
(結果)
リフトオフ 8時56分36秒 8時56分36秒
1段分離 8時58分42秒 8時58分42秒
フェアリング分離 8時59分38秒 8時59分38秒
2段分離 9時02分10秒 9時02分10秒
サービスモジュール/3段分離 9時06分24秒 9時06分24秒
太陽電池パドル展開完了時刻 9時13分 9時13分

表2 サービスモジュールの投入初期軌道
 投入初期軌道(計画)投入初期軌道(結果)
遠地点高度 355Km 354.8Km
近地点高度 185Km 185.4Km
軌道傾斜角 51.6度 51.6度
軌道周期 89.6分 89.6分



 サービスモジュール打上げ後バイコヌール宇宙基地において、RASAコプチェフ長官、NASAゴールディン長官、ESAサコット総務担当ディレクター、CSAデュボー プログラムマネージャー、 NASDA五代副理事長他による合同記者会見が行われた。本合同記者会見で、次は火星を目指すとのNASAゴールディン長官の発言、ISS計画が最優先だがミールにも積極的に取り組みたいとするRASAコプチェフ長官の発言、ISS商業利用への期待に係るNASAゴールディン長官発言等があった。

 ISS(FGB(ザーリャ)及びノード1(ユニティ))とサービスモジュールのドッキングは7月26日午前4時46分(モスクワ時間)[7月26日午前9時46分(日本時間)]に予定されている。サービスモジュールは7月14日(モスクワ時間)に、最初の2回のランデブー用噴射を成功裡に終了し、現在ドッキングに向けた軌道制御並びに、各機器の点検を順調に実施しているところである。(サービスモジュールドッキング後のISSイメージ図を下に示す。)

3. HOA結果概要

 7月13日、RASAにおいてHOAが開催され、RASAコプチェフ長官、NASAゴールディン長官、ESAホイステル局長、CSAデュボープログラムマネージャー、NASDA五代副理事長が出席した。本会議では主に次のようなことが議論され、今後も各機関が緊密に協力関係を維持していくことが再確認された。

  • 各極から計画進捗状況が説明され、各々開発が順調に進められていることが確認された。
  • NASAからISS組立スケジュール調整状況等の説明がなされた。
  • ESAからはISSフォーラム2001(2001年6月 於:ベルリン)の紹介がなされ、効果的な開催を目指した検討のもと、その準備を進めることが話された。
  • ISSの商業利用については、参加各極間で引き続き調整を進めていくことを確認した。

 次回HOAは最初のISSクルー打上げ(10月30日予定)の後、カナダで開催予定。