宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
NASAアスラー地球科学局長の来日に伴い、11月28日(火)に行われたNASA-NASDA地球科学会合等の結果について報告する。
今回会合及びプレスブリーフィングの目的及び意義は、両機関間で初の試みとして、包括的で長期的なパートナーシップの枠組みに合意し、それを関係者・プレス・一般に対してメッセージとして送り出すことであった。大きく以下の3点にまとめられる:
(1) | 熱帯降雨観測衛星(TRMM)のような日米共同開発ミッションをはじめとする、これまでのNASA-NASDAパートナーシップの成功と、今後10年間におけるパートナーシップの継続の重要性を確認。(近くはADEOS-II、Aqua協力) |
(2) | 長期の地球環境観測を目指したNASDAの地球環境変動観測ミッション(GCOM)における協力の実現を目指す。 |
(3) | 2007年打上げを目標とした、ATMOS-A1/GPM(全球降雨観測ミッション:コア衛星+8機の小型衛星群)の実現へ向けた努力を行う。日米が核となり、欧州等とも協力を広げる。 |
(1)日時: | 平成12年11月28日(火)9:30-10:30 場所:本社28F NASDAi |
(2)出席者: | <NASA>アスラー地球科学局長、ゴギネーニ カンザス大学教授、コンデス氏、ロルフ氏(国際部)、カーカム氏(米国大使館NASA代表) <NASDA> 古濱理事、稲田副本部長、片木部長、小川研究ディレクター、佐木部長、石田主任、伊東主任、石戸主任 ほか |
(3)結果概要: |
(1)日時: | 平成12年11月28日(火)11:00-11:30 場所:本社28F NASDAi |
(2)出席プレス: | 日経新聞社、共同通信社、NHK、日刊工業新聞社、日本航空新聞社 |
(3)結果概要: |
この週、アスラー局長は、TRMM3周年記念シンポジウム出席の他、科学技術庁研究開発局長、宇宙開発委員、議員、NASDA理事長らと面会、外国人記者クラブ、大使館レセプションでも同様のプレス会見を行い、NASA-NASDA協力の成果と必要性について積極的にアピールした。
共同声明の内容の実現にむけて両機関が努力する。また、今後も最低年一回はNASA-NASDA地球科学会合を開催して情報交換を継続する。
平成12年11月28日、東京にて、米国航空宇宙局(NASA)地球科学局ガッセム R.アスラー局長は、宇宙開発事業団(NASDA)地球観測システム本部古濱洋治本部長と会談を行った。会談において、両氏は、現在進行中の協力プログラムの進捗状況、及び宇宙からの地球科学研究・観測におけるNASDA・NASAの協力関係を一層深める可能性のある新たなイニシアティブを評価した。
古濱本部長及びアスラー局長は、NASDA・NASA間で成功裏に実施されている地球科学分野の活発かつ深淵な協力関係を認めた。当該協力として、資源探査衛星「ふよう」1号(JERS-1)、熱帯降雨観測衛星(TRMM)、地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」(ADEOS)及び後継機ADEOS-II、アクア等があげられる。会談において、両氏はNASDA・NASA地球科学作業部会の議長から最終報告を受けた。1999年に設置された当該作業部会は、宇宙技術による地球科学研究・観測におけるNASDA・NASA間の中長期協力について、可能性のある分野を評価、特定するために設立されたものである。最終報告書の内容と提言は、会談の参加者により詳細に検討された。会談の結果、両氏は、グローバルな観測戦略を調整・統合することの重要性を認識し、NASDAの地球環境変動観測ミッション(GCOM)へのNASAの協力やNASAの全球降雨観測ミッション(GPM)へのNASDAの参加の機会を検討すること及び相互に関心のある分野を更に探求することといった、各機関の2002年以降のミッション計画の相互調整を今後も継続していくことの必要性を確認した。両氏は、各機関の既存及び将来計画への支援と、その計画及び実施を成功させるために協力を希望する旨を表明した。
NASDA本部長及びNASA局長は、会談及びNASDA・NASA地球科学作業部会の成果に満足し、これまでの協力の成功の上に今後も一層強力な協力関係が築かれることについて確信を表明した。