宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
ETS-VIII大型展開アンテナの設計の妥当性を確認することを目的として、アンテナ小型部分モデルを、本年12月22日(日本時間)に打ち上げられるアリアン5ロケット(AR508)に搭載し、宇宙環境下で展開実験を行う。
(1) | 平成12年3月 | 宇宙開発計画でLDREX計画が承認 |
(2) | 4月 | アリアンスペース社と正式契約 |
(3) | 5月 | アリアン5との機械適合性試験 |
(4) | 9月 | テレメトリ・コマンド適合性確認試験 |
(5) | 10月 | 総合適合性試験及び最終インターフェース調整会議 |
アンテナ小型部分モデルは、展開実験、環境試験を経て開発が終了している。アリアン5との適合性は、一部ハーネスの適合性試験を除き全て実施し、確認した。ハーネスで未確認のものについては、射場作業の中で最初に確認する。
今後の予定は下記の通り。
11月20日 | 南米フランス領ギアナにあるクールー射場にアンテナ小型部分モデルを搬入し、射場における検査を行う。 |
12月5日 | ロケットに搭載し実機同士の最終適合性試験を行う。その後、主衛星2機が搭載される。 |
12月22日 | 午前8時(日本時間)、クールーでは21日午後8時AR508打ち上げ。実験は、主衛星2機がロケットから分離された後、トランスファー軌道飛行中にロケットに取り付けられた状態で、アンテナの展開を行う。展開力、温度等のデータと展開中の画像は、ロケットのテレメトリ送信機を経て地上局に送られ、打ち上げ1週間後に当方に渡される。 |
AR508の打ち上げ日は、それに先立つロケットのスケジュールの影響を受け今後多少変更される可能性がある。
実験評価はデータ受領後速やかに行い、打ち上げ後10日以内には終了し公表する予定である。
展開終了後のアンテナ小型部分モデルは、アリアンスペース社の判断で、ロケットから分離することになった。
なお本計画は、CNESからの支援も得ており、日仏間の宇宙協力の側面を有する。