宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
試験機1号機の打上げ延期に伴い、当面のLE-7Aエンジンの技術データ取得試験計画を見直したので報告する。
(1) | 平成12年12月8日の宇宙開発委員会にて、平成13年度夏期に延期された試験機1号機の確実な打上げに向けて、製造、試験及び品質管理の全ての段階のデータが設計に照らして問題がないことを再確認するための措置方針を報告した。 |
(2) | 12月5日より種子島宇宙センターにて開始している技術データ取得試験についても、この措置方針に基づき試験の内容を見直す旨、12月8日の宇宙開発委員会に報告した。 |
(1) | 大きな振動が発生する可能性のある部位に関するデータを取得し、解析結果との再比較を行う。【試験機1号機の確実な打上げに向けた措置】 |
(2) | エンジン作動の再現性及びポンプ入口圧力の変化による作動データ等を追加取得し、現行の液体水素ターボポンプインデューサを試験機1号機に使用するにあたっての問題ないことの再確認を実施する。【専門家会合助言への対応】 |
(3) | 既に燃焼試験を終了した旧試験機1号機用エンジンを用いて、領収燃焼試験における不確定性に関するデータの取得を目的とした燃焼試験シリーズを追加する。これにより、顕在化していない不具合の抽出を図るとともに、厳しい作動条件でのデータの蓄積を図る。 |
実飛行時において、FTPは約50秒、液体酸素ターボポンプ(OTP)は約150秒の間、旋回キャビテーションが発生する可能性がある。この運転条件を模擬的に再現し、データを取得する。
実飛行時に遭遇しうる入口圧をさらに大きく高め・低めに変化させ、FTPインデューサに厳しい条件等を負荷し、データを蓄積し余裕を確認する。
以下の項目については、各試験機会を有効に活用して、データの蓄積を図る。
【大きな振動が発生する可能性のある部位に関するデータ取得】
【NASDA内部のH-IIA評価チームからの勧告対応】
4回、合計200秒
旧試験機1号機用エンジンを用いて、領収燃焼試験においてエンジンの作動点を調整する過程等で遭遇し得る不確定要素として、初回試験時の作動点設定のバラツキによる厳しい条件での運転や、何らかの原因で途中停止した時の停止状態を模擬し、顕在化していない不具合の抽出を図るとともに、厳しい作動条件でのデータの蓄積を図る。
平成13年2月頃
当面のスケジュールの概略を以下に示す。