プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度について

平成12年4月5日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. 報告事項

 我が国の中小ベンチャー企業が保有する魅力的なアイディアやユニークな技術を将来の宇宙開発に活かしていくことを目的として、宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度を実施するため、その概要について報告する。

2. 経緯等

  1. 平成11年度第2次補正予算(平成11年12月成立)において、ア)中小ベンチャー企業が保有する革新的な技術とアイディアを宇宙開発に活用すること、イ)中小企業の宇宙開発ベンダーとしての国際競争力向上、を目的として、当事業団に1.2億円の予算が認可された。
  2. 制度の具体的な内容を当事業団に於いて検討し、実行に移すこととし、その概要につき、平成12年3月30日に記者発表を行った。

3. 制度の柱

 次の2点を制度の柱としている。

  1. 宇宙開発事業団と中小ベンチャー企業との技術交流を促進すること。
    • このため、筑波宇宙センター内に宇宙ベンチャー室を設置し、中小ベンチャー企業が積極的に宇宙開発に参画するための架け橋となることを目指す。
  2. 中小ベンチャー企業の斬新なアイディアや、ユニークな技術を宇宙開発に応用するために、研究を推進すること。
    • このため、中小ベンチャー企業と共同して宇宙応用化の可能性を探るための研究を実施する。

4. 今後の進め方

  1. 平成12年4月14日から研究テーマの募集を行い、テーマの選定後、中小ベンチャー企業と共同して研究を開始する。また、宇宙ベンチャー室を設置する。
  2. 平成13年度の予算要求については、平成12年度の実施結果をみつつ、判断していく。
  3. なお、実施の過程で発生する諸課題には極力柔軟な対応を心がけるとともに、今後この制度が、中小ベンチャー企業にとっても事業団にとっても更に使いやすいものとなるよう、改善の検討を続けていく。



宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度に基づく研究の募集案内


1. 制度の目的及び概要

 宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度(以下「制度」といいます。)は、中小ベンチャー企業が持っている魅力的なアイディアやユニークな技術を宇宙開発に応用することを目的としており、次の2つを柱としています。

ア) 事業団と中小ベンチャー企業との技術交流を推進すること。このため、筑波宇宙センター内に宇宙ベンチャー室を設置します。ベンチャー室は、中小ベンチャー企業が宇宙開発に参画するための架け橋となることを目指します。
イ) 中小ベンチャー企業のアイディアや技術を宇宙開発に応用するための研究を推進すること。このため、中小ベンチャー企業と共同して、宇宙応用化の研究を行います。なお、研究テーマは、広く自薦、他薦により募ります。

2. 研究の募集について

(1) 研究の実施形態

ア) 中小ベンチャー企業が有する革新的な技術の宇宙応用化に関する研究を、事業団と共同して行います。研究に必要な経費は事業団が負担します。(ただし、中小ベンチャー企業の研究者にかかる人件費は除きます。)
イ) 研究の実施に当たっては、事業団の委託を受けた(財)日本宇宙フォーラムと中小ベンチャー企業との間で研究契約を締結していただきます。
ウ) 研究の実施に当たり、大学や国立研究所などに研究を分担して貰うことも可能としますが、その場合は必ず、研究テーマの応募時に分担内容をお知らせ下さい。

(2)募集分野

 次の4分野に関連する技術に関する研究開発課題とします。

  • 宇宙材料技術
  • 熱制御技術
  • 宇宙システムの小型、高機能化技術
  • 民生技術や地上の新技術(ソフトウェア技術を含む)の宇宙適用化技術

(3)応募の資格

  • 日本の法人又は団体であること。
  • 事業団と共同して研究開発を実施できること。なお、これまでの宇宙開発への関与経験は問いません。
  • 大企業でないこと。なお、中小企業基本法第2条に定める中小企業社又は法人格を有する中小企業社の団体を優先します。

(4)事業団が負担する経費

範囲 研究の遂行に当たり必要な経費のうち、次の経費を負担します。
また、必要に応じて、事業団の施設設備を用いた試験などを行うことも可能です。詳細は、事業団との相談により決定します。
  • 原材料費
  • 消耗品費
  • 外注加工に要する経費(人件費を含みます)
  • 技術指導受入費
  • その他、研究に必要と認められる経費(旅費、機器賃借料など)
1テーマ当たり、事業団が数千万円程度を負担する「戦略研究」と、100万円程度を負担する「芽出し調査研究」の2つに区分します。
支出方法 中小ベンチャー企業に、極力、研究に専念していただけるよう、研究に必要な物品等の購入手続きを(財)日本宇宙フォーラムが代行します。なお、一定額について、中小ベンチャー企業に事前にお渡しすることも可能です。具体的な範囲や額については、ご相談下さい。

(5) 応募に必要な書類

 研究の概要や会社の概要が分かる資料をご提出いただきます。詳細については、改めてご案内します。

(6)受付期間

 平成12年4月14日(金)〜平成12年8月31日(木) (当日消印有効)

 なお、6月15日(木)を中間締切として、その時点で集まった研究テーマの中から一定数(概ね全体の5割程度を想定しています)を採択します。

(7)テーマの採択

ア) 応募のあった研究テーマについては事業団が採択の可否を決定し、応募者に結果をご連絡します。
イ) 採択数は、戦略研究については2件程度、芽出し調査研究については、30件程度を予定しています。
ウ) 1社で複数の研究テーマを提案することが可能ですが、採択は原則として、1社当たり1件とします。

(8)研究の実施期間

 採択の通知があったときから平成13年2月末日までとします。即ち、

第1次採択テーマ 平成12年7月初旬(予定)〜平成13年2月末
最終採択テーマ 平成12年9月中旬(予定)〜平成13年2月末

となります。

(9)研究成果の取扱いについて

ア) 研究期間終了後、研究によって得られた成果を書面にて簡潔に報告していただきます。
イ) 研究により得られた成果は、中小ベンチャー企業と事業団との共有となります。
ウ) 研究の結果、宇宙応用化が可能と考えられるものについては、宇宙機への搭載など、事業団の計画に採用します。なお、この場合は、改めて事業団と所定の契約を締結することになります。
エ) 宇宙応用化が図れないことが分かった場合でも、ご希望があれば、地上技術への応用などにつき、引き続き事業団のコンサルティング・サービスをご利用頂けます。

(10)研究実施期間中の支援など

ア) 研究の実施に当たっては、必要に応じて、事業団の研究者の協力や分担を受けることができます。なお、協力内容については、ベンチャー室を通じてご相談下さい。
イ) 研究実施期間中、研究に必要な資材等の調達支援を受けることができます。
ウ) 上記の相談は、宇宙ベンチャー室を窓口として行うことになります。

3. お問い合わせ先

 応募用紙のご請求などのお問い合わせ先は次のとおりです。

(財)日本宇宙フォーラム調査研究部
担当:塩谷(しおのや)
(TEL)03-3459-1654
(FAX)03-5402-7521
(メール)venture@jsforum.or.jp

なお、お問い合わせは、書面(e-mailかFAX)でお願いします。


宇宙ベンチャー室について


 宇宙ベンチャー室は、中小ベンチャー企業と宇宙開発事業団との架け橋となることを目指して、筑波宇宙センターに設置します。

1. 業務概要

 宇宙ベンチャー室は、次の業務を行います。

ア) 宇宙開発事業団の技術研究の概要や研究の将来シナリオの公開
  • このことを通じて、中小ベンチャー企業各社の研究開発を宇宙開発にどのような形で取り入れることができるか、コンサルティング・サービスを行います。
イ) 中小ベンチャー企業との交流会
  • 例えば、筑波宇宙センター見学会や、各都道府県における交流会を開催します。
ウ) 採択された研究テーマについて、研究実施期間中、技術的、事務的なサポート・サービス
  • 例えば、事業団の研究設備の利用に関する諸調整や、物品の調達などを行います。また、事業団の研究者との窓口もつとめます。
エ) スピンオフに関する相談
  • 採択された研究テーマの実施期間終了後も、引き続き、地上技術への応用に関する相談を引き受けます。

2. 場所及び開設時間

(1) 場所

筑波宇宙センター内

(住所)
〒305-8505
茨城県つくば市千現2-1-1 
筑波宇宙センター 宇宙ベンチャー室

(連絡先)

電話:0298-58-4230〜4232
FAX:0298-49-2400
(平成12年4月19日追加)

メール:venture@jsforum.or.jp

(2) 時間
10:00〜17:00。
(ただし、土曜、日曜、祝祭日、その他事業団が定める休日を除きます)