宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
宇宙開発事業団(NASDA)では、平成11年4月より国際宇宙ステーション(ISS)搭乗宇宙飛行士候補者への基礎訓練を実施してきたが、今般、古川聡(略歴)及び星出彰彦(略歴)両宇宙飛行士候補者について当初計画された基礎訓練項目を全て修了し、平成13年1月24日付けでISS搭乗宇宙飛行士として認定したので報告する。
基礎訓練はISSに参加する各国(日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国、ロシア)の宇宙機関が、国際訓練管理会議にて合意した国際要求に沿って実施する訓練であり、ISS搭乗宇宙飛行士として必要となる基本的な知識や技能を習得することが目的である。平成11年2月に選定された古川候補者及び星出候補者の基礎訓練は、平成11年4月から平成12年12月迄の期間、筑波宇宙センターを中心として実施された。基礎訓練には、宇宙機システム、ISSシステム、基礎工学、基礎科学等に関する知識の習得、英語、ロシア語の言語能力の向上及び、飛行機操縦訓練、サバイバル訓練等の実地訓練が含まれている。
ISS搭乗宇宙飛行士の認定は、基礎訓練実施機関が責任を持って行うこととされている。NASDAが規定したISS搭乗宇宙飛行士の認定要件は、基礎訓練を終了していること、スペースシャトル・宇宙ステーション等に関する技術的知識を有していること、ISS搭乗宇宙飛行士の医学基準を満たしていること等であり、これらの認定要件に係る審査を経て、ISS搭乗宇宙飛行士として認定した。
今回認定されたISS搭乗宇宙飛行士は、本年4月よりアメリカで行われるアドバンスト訓練に参加する予定である。アドバンスト訓練とはISS全体のシステム操作に係る運用訓練であり、国際宇宙ステーション計画に参加する各国で行われる。さらに搭乗割当てを受けた後、インクリメント固有訓練(搭乗期間中のミッションに関する訓練)に参加し、ISS搭乗に備える訓練を行う。また、訓練以外にも日本の実験棟「きぼう」の開発支援業務等の技術業務を行わせる計画である。
このような訓練・技術業務の後、平成18年頃から本格的に運用される国際宇宙ステーションに長期間(3〜6ヶ月程度)滞在し、日本の実験棟「きぼう」を含む国際宇宙ステーションの運用及び様々な分野の利用ミッションを担当する予定である(図1にISS搭乗宇宙飛行士の訓練フローを示す)。
平成13年1月24日現在
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平成13年1月24日現在
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