プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度の
平成12年度成果および平成13年度募集について

平成13年3月30日

宇宙開発事業団

 宇宙開発事業団は、国内の中小ベンチャー企業の保有する魅力的なアイディアやユニークな技術を将来の宇宙開発に活かしていくことおよび中小ベンチャー企業が宇宙開発に積極的に参画することを目的として、平成11年度に「宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度」を発足させました。

 平成12年度は、23件のテーマを選択して研究を実施してきましたが、その中から宇宙応用化の可能性が高いと認められる成果を上げた研究およびユニークな研究に対して宇宙ベンチャー大賞のほか、合計4つの賞を授与しましたのでお知らせします。
 (別紙1 参照)

 また、平成13年度の研究テーマを平成13年4月2日より募集いたしますので、合わせてお知らせします。(募集要項は、別紙2をご覧下さい。)

<平成13年度募集の概要>
   募集期間: 平成13年4月2日(月)から同年6月29日(金)まで
募集分野: ロボティクス技術、マイクロマシン技術などを含む7分野
研究期間: 平成14年2月末日まで

募集についてのお問い合わせ先:
(財)日本宇宙フォーラム調査研究部 担当:武石(たけいし)
   (住所) 〒105-0013 東京都港区浜松町1-29-6
 浜松町セントラルビル8階
(TEL) 03-3459-1654
(FAX) 03-5402-7521
(メール) venture@jsforum.or.jp

なお、お問い合わせは、書面(e-mailかFAX)でお願いします

平成13年度募集の概要は、以下のホームページでもご覧いただけます。
http://giken.tksc.nasda.go.jp/Venture/index.html

また、平成12年度研究成果概要も順次掲載していきます。



第一回宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度 表彰結果


受賞した研究テーマ研究概要受賞社都道
府県
宇宙ベンチャー
大賞
(戦略研究)
超耐熱材料 SiNBCセラミックの開発 高温環境下で熱安定性が高いセラミックス系素材を用いて宇宙開発用耐熱材料の適用性を検討。分子設計から材料の試作・試験までを行った。綿密な計画に基づき、宇宙応用化が十分見込めるレベルの研究を行った。 (株)化研 茨城県
宇宙ベンチャー
優秀賞
(芽だし調査研究)
板厚方向に高熱伝導率を有する炭素繊維複合材料の開発 同社のもつ炭素繊維複合材料技術にダイヤモンド状複合幕を複合することにより板厚方向にも高熱伝導率を有する人工衛星用複合材料部材の開発の可能性を検討。板厚方向の熱伝導度を従来に比べて10倍以上向上させるめどを得た。 サカセ・アドテック(株) 福井県
宇宙ベンチャー
審査員特別賞
(戦略研究)
衛星監視用グラフィックディスプレイの開発
(視覚障害者用)
パソコン図面情報(文字だけでなく、複雑な図形・動画など)を手で触って確認できるようにすることで、視覚に障害を持つ人がより容易に衛星運用などの高度な研究に参加できるようにすることを意図して実施。  ケージーエス(株) 埼玉県
宇宙ベンチャー
審査員特別賞
(芽だし調査研究)
軽量陶材による宇宙空間での居住環境の向上 研究者が提案した陶材「カルー陶」は極めて比重の小さい軽量陶材である。本研究は宇宙ステーションでの陶器の利用というユニークなテーマであり、研究者の熱意と日本の伝統工芸を宇宙文化に生かそうとする独創的発想が秀でている。 (株)河合紀陶房 京都府



平成13年度宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度に基づく研究の募集案内


1. 制度の目的及び概要

 宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度(以下「制度」といいます)は、中小ベンチャー企業が持っている魅力的なアイディアやユニークな技術を宇宙開発に応用することを目的としており、次の2つを柱としています。

ア) 事業団と中小ベンチャー企業との技術交流を推進すること。このため、筑波宇宙センター内に宇宙ベンチャー室を設置しています。ベンチャー室は、中小ベンチャー企業が宇宙開発に参画するための架け橋となることを目指します。(ベンチャー室については、別添1をご覧下さい。)
イ) 中小ベンチャー企業のアイディアや技術を宇宙開発に応用するための研究を推進すること。このため、中小ベンチャー企業と共同して、宇宙応用化の研究を行います。なお、研究テーマは、広く自薦、他薦により募ります。

2. 研究の募集について

(1)研究の実施形態

ア) 中小ベンチャー企業が有する革新的な技術の宇宙応用化に関する研究を、事業団と共同して行います。研究に必要な経費は事業団が負担します。(ただし、中小ベンチャー企業の研究者にかかる人件費は除きます。)
イ) 研究の実施に当たっては、事業団の委託を受けた(財)日本宇宙フォーラムと中小ベンチャー企業との間で研究契約を締結していただきます。
ウ) 研究の実施に当たり、大学や国立研究所などに研究を分担して貰うことも可能としますが、その場合は必ず、研究テーマの応募時に分担内容をお知らせ下さい。

(2)募集分野

 次の7分野に関連する技術に関する研究開発課題とします。(別添2)

1 2 3 4 5 6 7
ロボティクス マイクロ
マシン技術
宇宙材料
技術
熱制御材料・
加工技術
計測技術 流体技術 IT技術

上記7分野以外でも宇宙開発に役立つと思われる研究テーマでNASDAとの共同研究の見込みがたつものについても応募が可能です。詳しくは宇宙ベンチャー室にご相談下さい。

(3)応募の資格

ア) 日本の法人又は団体であること。
イ) 事業団と共同して研究開発を実施できること。なお、これまでの宇宙開発への関与経験は問いません。
ウ) 大企業でないこと。なお、中小企業基本法第2条に定める中小企業社又は法人格を有する中小企業社の団体を優先します。

(4)事業団が負担する経費

範囲: 研究の遂行に当たり必要な経費のうち、次の経費を負担します。また、必要に応じて、事業団の施設設備を用いた試験などを行うことも可能です。詳細は、事業団との相談により決定します。
 ・原材料費
 ・消耗品費
 ・外注加工に要する経費(人件費を含みます)
 ・技術指導受入費
 ・その他、研究に必要と認められる経費(旅費、機器賃借料など)
額 : 1テーマ当たり、事業団が数千万円程度を負担する「戦略研究」と、100万円程度を負担する「芽出し調査研究」の2つに区分します。
支出方法: 中小ベンチャー企業に、極力、研究に専念していただけるよう、研究に必要な物品等の購入手続きを(財)日本宇宙フォーラムが代行します。なお、一定額について、中小ベンチャー企業に事前にお渡しすることも可能です。具体的な範囲や額については、ご相談下さい。

(5)応募に必要な書類

研究の概要や会社の概要が分かる資料をご提出いただきます。詳細については、改めてご案内します。

(6)受付期間

平成13年4月2日(月)〜平成13年6月29日(金)  (当日消印有効)
 なお、5月15日(火)を中間締切として、その時点で集まった研究テーマの中から一定数(概ね全体の5割程度を想定しています)を採択します。

(7)テーマの採択

ア) 応募のあった研究テーマについては事業団が採択の可否を決定し、応募者に結果をご連絡します。
イ) 採択数は、戦略研究については2件程度、芽出し調査研究については、20件程度を予定しています。
ウ) 1社で複数の研究テーマを提案することが可能ですが、採択は原則として、1社当たり1件とします。

(8)研究の実施期間

採択の通知があったときから平成14年2月末日までとします。即ち、

第1次採択テーマ: 平成13年6月下旬(予定)〜平成14年2月末
最終採択テーマ : 平成13年8月中旬(予定)〜平成14年2月末
となります。

(9)研究成果の取扱いについて

ア) 研究期間終了後、研究によって得られた成果を書面にて簡潔に報告していただきます。
イ) 研究により得られた成果は、中小ベンチャー企業と事業団との共有となります。
ウ) 研究の結果、宇宙応用化が可能と考えられるものについては、宇宙機への搭載など、事業団の計画に採用します。なお、この場合は、改めて事業団と所定の契約を締結することになります。
エ) 宇宙応用化が図れないことが分かった場合でも、ご希望があれば、地上技術への応用などにつき、引き続き事業団のコンサルティング・サービスをご利用頂けます。

(10)研究実施期間中の支援など

ア) 研究の実施に当たっては、必要に応じて、事業団の研究者の協力や分担を受けることができます。なお、協力内容については、ベンチャー室を通じてご相談下さい。
イ) 研究実施期間中、研究に必要な資材等の調達支援を受けることができます。
ウ) 上記の相談は、宇宙ベンチャー室を窓口として行うことになります。

3. お問い合わせ先

応募用紙のご請求などのお問い合わせは、次のとおりです。
 (財)日本宇宙フォーラム調査研究部 担当:武石(たけいし)

   (住所) 〒105-0013 東京都港区浜松町1-29-6
 浜松町セントラルビル8階
(TEL) 03-3459-1654
(FAX) 03-5402-7521
(メール) venture@jsforum.or.jp

なお、お問い合わせは、書面(e-mailかFAX)でお願いします。




別添1 宇宙ベンチャー室について


 ベンチャー企業と宇宙開発事業団との架け橋となることを目指して、引き続き、宇宙ベンチャー室を筑波宇宙センターに設置します。

1. 業務概要

宇宙ベンチャー室は、次の業務を行います。

(1) 宇宙開発事業団の技術研究の概要や研究の将来シナリオの公開
-中小ベンチャー企業各社の研究開発を宇宙開発にどのような形で取り入れることができるか、コンサルティング・サービスを行います。
(2) 中小ベンチャー企業との交流会
-例えば、筑波宇宙センター見学会や、各都道府県における交流会を開催します。
(3) 採択された研究テーマについて、研究実施期間中、技術的、事務的なサポート・サービス
-例えば、事業団の研究設備の利用に関する諸調整や、物品の調達などを行います。また、事業団の研究者との窓口もつとめます。
(4) スピンオフに関する相談
-採択された研究テーマの研究終了後も、引き続き、地上技術への応用に関する相談をお受けます。

2. 場所及び開設時間

(1)
場所
(住所) 〒305-8505   茨城県つくば市千現2-1-1
 筑波宇宙センター 宇宙ベンチャー室
(連絡先) TEL:0298-58-4230〜2
FAX:0298-49-2400
メール:venture@jsforum.or.jp
(2) 時間
10:00〜17:00(12:00〜13:00昼休み)
(ただし、土曜、日曜、祝祭日、その他事業団が定める休日を除きます)



別添2 平成13年度 ベンチャー事業 募集分野