プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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フライングテストベッド(FTB)の試験の実施について

平成13年1月31日

宇宙開発事業団

 宇宙開発事業団は、将来の月面探査に必要となる月軟着陸技術の研究に使用する、フライングテストベッド(FTB)の試験を、航空宇宙技術研究所と共同で下記のとおり実施いたしますので、お知らせします。

場所: 北海道大樹町
実施期間: 平成13年2月6日〜3月2日
(天候等により変更となる場合があります。)
実施試験: ・ヘリコプタ懸吊飛行試験
・テザー試験
・耐風性能確認試験



1. 試験の目的および内容について

 FTBは月面探査にとって重要な技術である軟着陸技術の確立を目的に製作された、月面軟着陸時の動特性等を模擬する試験装置です。垂直上昇・降下、着陸を行うことができ、航法誘導制御装置をこのFTBに載せ、その機能・性能を確認するために使用する計画です。FTBの外観、仕様を図1に示します。
 FTBについては昨年6月にクレーンでつり下げた状態での飛行試験(テザー試験)を完了し、基本的な機能を確認しています。
 今回実施する試験はFTBの飛行の確実性を向上するための試験と、月軟着陸技術の研究で使用する基礎データ取得に分けられます。

 前者は3つの試験からなっており、その内容は以下の通りとなっています。

  • FTBの飛行領域においてFTBと地上通信装置等との通信が問題なく出来ることを確認する試験(ヘリコプタ懸吊飛行試験)
  • FTBに万一のことがあっても墜落しないよう安全索でクレーンからつるした状態で、正常に飛行できることを確認する試験(テザー試験)
  • 送風機により横風を与えた状態でのFTBの安定性を確認する試験(耐風性能確認試験)

 後者は上記試験と並行して実施するものであり、その内容は以下の通りとなっています。

  • 月軟着陸技術の研究で使用するステレオ画像等の基礎データの取得

 これら試験の概要を図2に示します。

2. 試験の実施場所について

 試験の実施場所として、北海道大樹町の多目的航空公園及び航空公園北側の牧草地周辺地区を使用させていただきます。(図3)

3. 試験スケジュール

 試験スケジュールを図4に示します。
 ヘリコプタ懸吊飛行試験における飛行試験実施の当初設定日は2月6日となっております。その他の試験日については、逐次設定していきます。
 なお、本スケジュールは天候等の理由により変更となりますので、あらかじめ御了承下さい。
 また、試験期間中におけるスケジュールの変更内容については下記ホームページでも御確認戴けますので、御利用下さい。

一般: http://moon.nasda.go.jp/ja/selene/ftb/schedule.shtml
iモード用: http://moon.nasda.go.jp/i/ftb/schedule.shtml
J-SKY用: http://moon.nasda.go.jp/j/ftb/schedule.shtml