プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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全球降水観測計画(Global Precipitation Measurement: GPM)
シンポジウム開催のお知らせ

平成13年10月18日

宇宙開発事業団

 全球降水観測計画(GPM)は、現在も順調に観測を続けている熱帯降雨観測衛星(TRMM)の後継・拡張ミッション計画であり、観測領域の拡大(熱帯地方から全地球へ)、観測頻度の向上(3時間ごとの全球降水マップ)、高精度化(2周波降水レーダによる雨,雪の識別と降水強度推定の向上)を目指した衛星観測計画です。GPMで得られるデータは、長期的には地球温暖化などの気候変動の監視・予測に役立ち、短期的には天気予報や水資源管理などの社会的な需要に応えるものとして期待されています。
 このGPMの目標・計画概要・期待される成果を広く紹介するために、平成13年11月9日(金)午後1時30分より、千代田放送会館において、「全球降水観測計画(GPM)シンポジウム」を通信総合研究所、宇宙開発事業団、米国航空宇宙局の主催で開催いたします。どなたでもご参加いただけますので、多くの方々のご来場をお待ち申し上げます。


本件の詳細につきましては、全球降水観測計画(GPM)ページにおいてもご覧いただけます。



プログラム

日時: 平成13年11月9日(金) 13:30〜17:15
会場: 千代田放送会館(東京都千代田区紀尾井町1-1)
議事:
司会:増子 治信(通信総合研究所)、沖 理子(宇宙開発事業団)
13:30〜13:50 開会挨拶
山之内 秀一郎 (宇宙開発事業団 理事長)
石原 秀昭(総務省 技術総括審議官)
素川 富司(文部科学省 大臣官房審議官)
竹村 公太郎 (国土交通省 河川局 局長)
13:50〜14:20 米国航空宇宙局(NASA)の地球観測計画とGPM
ガッサム・アスラー(米国航空宇宙局 地球科学局 局長)
14:20〜14:50 次世代降水観測システム-GPM計画
古濱 洋治 (宇宙開発事業団 理事)
14:50〜15:20 統合地球観測戦略(IGOS)水循環研究とGPMの必要性
デービッド・カーソン(WMO 世界気候研究計画 ディレクター)
---- 休憩 (15:20〜15:40)----
15:40〜16:10 地球温暖化と降雨変動
松野 太郎 (地球フロンティア研究システム システム長)
16:10〜16:40 数値気象予報からのGPMへの期待
佐藤 信夫 (気象庁 予報部数値予報課 課長)
16:40〜17:10 水情報統合管理におけるGPMの役割
小池 俊雄 (東京大学 工学部 教授)
17:10〜17:15 閉会挨拶  飯田 尚志 (通信総合研究所 理事長)

主催
 通信総合研究所
 宇宙開発事業団
 米国航空宇宙局
後援(予定)
 総務省
 文部科学省
 国土交通省

全球降水観測計画(GPM)概要と2周波降水レーダ(DPR)の役割

全球降水観測計画(GPM)概要

  • 全球降水観測計画(GPM)は、現在運用中の熱帯降雨観測衛星(TRMM)の後継・拡張ミッション計画であり、米国航空宇宙局(NASA)、宇宙開発事業団(NASDA)と通信総合研究所(CRL)が中心となり推進している地球観測衛星計画のひとつです。
  • 日米共同ミッションである熱帯降雨観測計画はその名の通り、大気大循環の駆動源といわれる熱帯地方の降水活動を観測対象としています。GPMは、TRMMのこれまでの科学的・技術的な成功を継承し、TRMMでは実現していない高緯度地方までを含む広範囲の降水活動を高頻度で観測することを目指すものです。降水活動は、人類の生存に欠くことのできない水の循環の一部であり、その実態を把握することは水資源の確保の点からも重要です。また、降水は今日懸念される地球温暖化などの気候変動の指標でもあり、その変化を捉えることが気候変動のメカニズムの理解に直接的につながります。
  • GPMでは、TRMMと同様の、降水レーダとマイクロ波放射計を搭載した太陽非同期軌道衛星1機(主衛星)と、マイクロ波放射計を搭載した太陽同期極軌道衛星(副衛星)複数機から構成されます。
  • 主衛星は、2周波降水レーダとマイクロ波放射計で同時に降水を測定することで、降水活動の詳細を観測することができ、この観測データをもとに、マイクロ波放射計の降水強度推定アルゴリズムの高精度化を実現します。副衛星で実施されるマイクロ波放射計の降水観測は、この降水強度推定アルゴリズムを利用することで、より信頼性のあるものが達成できると考えられています。
  • 副衛星は、NASA、欧州宇宙機関(ESA)をはじめとする世界の宇宙関連機関の国際協力で打ち上げ、最終的に8機程度に増やすことを目標にしています。これら8機の極軌道衛星のマイクロ波放射計のデータを一同に収集・処理することで、3時間毎の全球の降水分布を求めることができ、GPMでは、この全球の降水分布のデータをほぼリアルタイムで配信することを計画しています。この即時的な降水分布のデータは、科学研究のみならず、天気予報・洪水予測・水資源管理などの社会生活へのさまざまな利用が可能になります。

ポスター



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