宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
固体補助ロケット(SSB)4本付きの標準型H-IIAロケットにより、静止トランスファ軌道への飛行を行い、その機能・性能を実証するためのデータを取得すること。
あわせて、民生部品・コンポーネント実証衛星(MDS-1)及び高速再突入実験機(DASH)を所定の軌道に投入すること。
遠地点高度 | 35735 | km |
近地点高度 | 500 | km |
軌道傾斜角 | 28.5 | ° |
近地点引数 | 179.0 | ° |
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:1号機の打上げで機能・性能データが取得された項目 |
【目的】 H-IIAロケットSSB装着形態での打上げ時のペイロード環境計測を実施するため、衛星とのインタフェース条件となる温度・加速度・音響環境を検証。 |
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【仕様】
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【補足】 軌道投入精度については、衛星側からの軌道計測データにより検証可能 |
【目的】
将来の月及び惑星からのサンプルリターン等のミッションで必要となる、高速再突入機に必要な技術の実証及び蓄積
【仕様】
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【ミッション】 高速再突入時のデータ取得 ・約7周回、約3日間、静止トランスファー軌道を周回 ・軌道離脱モータに点火し、オービタから切り離されたカプセルは大気圏に高速再突入 ・パラシュートの開傘により、カプセルは地上へ緩降下 ・緩降下の際に、実験機の計測データをテレメータ電波の受信により取得 ・落下地点はモーリタニア国内砂漠地帯を予定 |
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本体寸法 | : | 1.2m×1.2m×1.5m | 質量 | : | 480Kg以下 |
ミッション期間 | : | 1年間 | |||
打上げロケット | : | H-IIA試験機2号機 | |||
運用軌道 | : | 静止トランスファー軌道 |
開発状況
・現在、種子島への輸送前点検を実施中である。
・11月中旬に種子島へ輸送し射場作業を開始する予定。
ミッション実証衛星(MDS)
ミッション実証衛星(MDS)は、先端的な新規開発要素の大きい技術を、事前実証し、軌道上での基礎データ取得や機能検証を目的とする衛星(MDSはMission Demonstration test Satelliteの略)
民生部品・コンポーネント実証衛星(MDS-1)の目的
(1) | 軌道上において民生部品(主として電子部品)の耐放射線性データを取得し、宇宙適用のための地上評価技術を検証する。 |
(2) | データレコーダ、並列計算機システム等のコンポーネントの小型軽量化のための実装方式等を軌道上検証する。 |
(3) | 宇宙放射線を計測し、宇宙放射線が特に強いエリア(バンアレン帯)を含めた宇宙放射線マップを作成する。また、評価対象の民生部品及びコンポーネントにもセンサを貼り付け、耐宇宙放射線データ検証にも活用する。 |
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【再々着火実験の意義】 静止軌道への衛星直接投入や異なる軌道への複数衛星同時打上げ等の多様なミッションに対応するための再々着火に関する基礎データの取得と技術課題の抽出 【予備実験の目的】 早期の打上げ機会を利用した、再々着火に関するデータの事前取得 【着火時刻】 打上げ後、6000秒時点で着火 【燃焼時間】 51秒間(燃料枯渇停止なので秒時は前後する) 【評価項目】 主として以下の事項を評価 ・長秒時(慣性飛行中)の機器の熱制御データ ・再々着火前のタンク再加圧、再着火データ ・高々度における電波リンクデータ ・長秒時の電力消費データ |
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■基本的には飛行実績のあるフェアリング分離形態の組み合わせで構成 |
■米国2機種、国産1機種の候補の中から技術(実績・確実性)及びコストで優れている米国Thiokol社のCastor IVAをベースに開発されたCastor IVA XLを選定し、H-IIAコア機体に装着可能なように設計変更H-IIAへの適合性については解析及び試験により確認
CFD解析結果 | ターボポンプ試験結果 |
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