宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
国際宇宙ステーションでの活動における教育目的枠を利用し、宇宙開発事業団と通信・放送機構(総務省認可法人)との共同開催により、教育イベントを実施(*1)したので報告する。
*1: 6月6日 午後5時より(1時間40分間)実施
国際宇宙ステーションおよび宇宙環境を有効に用いてさまざまな教育機会をつくり、次世代を担う青少年が宇宙開発に対して関心を高められる環境整備を行い、青少年の国際宇宙ステーションおよび宇宙環境利用に対する理解増進を図るとともに、マルチキャストによるライブ配信技術や動画の蓄積技術を生かし、次世代高速ネットワークの有用性の検証を行うことを目的とした。
文部科学省と総務省の連携事業である学校インターネット(全国約1700校が対象校)を利用し、宇宙開発事業団本社から毛利衛宇宙飛行士による遠隔"宇宙授業"(宇宙ステーションと話そう!〜毛利宇宙飛行士のインターネットライブ〜)を行い、宇宙授業の一部(20分程度)で、参加した学校のうち代表校2校(*2)が国際宇宙ステーションに滞在中の3人の宇宙飛行士と交信した。また宇宙開発事業団ヒューストン駐在員事務所より、来年の国際宇宙ステーション組立ミッションに搭乗予定の野口宇宙飛行士が特別参加した。
なお、この模様は一般のインターネットを通じて動画配信を行なった。(別紙1参照)
*2: | 代表校2校は東京都の三鷹市立第四小学校と埼玉県の川口市立十二月田(しわすだ)中学校 | |
※ | 第四小学校の生徒は、日本語で質問し、毛利宇宙飛行士が通訳した。 十二月田中学校の生徒は、英語で直接質問した。 なお、国際宇宙ステーションに滞在中のクルーからの回答は、同時通訳を介し、日本語で配信した。 |
代表校2校の他、全国の学校インターネット対象校から約400校程度が参加した。また、一般のインターネットを経由して、科学館や学校インターネット非対象校など20ヶ所からも参加があった。
宇宙授業実施前に開設した事前学習用ホームページには、質問が350件、イベント実施中の質問や意見は80件ほど寄せられた。寄せられた質問に対しては国際宇宙ステーションの宇宙飛行士や宇宙開発事業団本社の毛利宇宙飛行士、ヒューストン駐在員事務所の野口宇宙飛行士がイベントの中で回答した。
宇宙開発事業団本社および2校の代表校など、各地点での取材の合計は、通信社・新聞・雑誌28社、テレビ局11社であった。また当日・翌日の報道状況は、全国紙、地方紙合計で12紙(前日等の予告報道も含む)、テレビ局は3社4回のニュースで報道された。
イベント終了後、100件以上の感想がホームページを通じて寄せられてきている。次回開催に対する要望や期待も多く、具体的な内容のリクエストが届いており、授業参加の対象者を年齢ごとに分ける必要性についても指摘されている。
10月上旬に、文部科学省メディア教育開発センターとの共同開催により、第三次長期滞在クルーと次の教育イベントを行なう予定になっている。これはメディア教育開発センターが管理運用している「大学間通信ネットワーク」と国際宇宙ステーションを接続し、大学生等を対象にした宇宙特別講座を行なうものである。
また、今後も継続的に国際宇宙ステーションの教育イベント枠を利用して、さまざまな対象に対し行なうことを検討中。