宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
【目的】 | 資源探査・国土調査・農林漁業・環境保全等を目的とし地球全般(陸域中心)の観測を実施 |
【搭載センサ】 | ・合成開口レーダ(SAR):能動型の電波センサ ・光学センサ(OPS):可視光/近赤外/短波長赤外による(地表からの)反射光を観測 |
【軌道】 | 高度約570km、軌道傾斜角約98°の太陽同期準回帰軌道 |
【打上げ日】 | 平成4年2月11日 |
【経緯】 | 2年間の定常運用。その後は後期運用段階の運用。 平成10年10月12日運用終了。 (太陽電池パドルとパドル駆動機構との間の電線の寿命のため) |
【主な成果】 | ミッション期間は2年間であったが、約6年半に渡り資源、災害、環境監視等の地球観測データを取得。 これらのデータを通し、中国トルファ ン盆地における石油賦存地域の抽出、アマゾン熱帯雨林の森林伐採の実態や、岩手山火山活動による地殻変動等に関する成果が得られた。 |
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【11月12日現在の状況】
落下予測日:平成13年11月30日〜12月10日 (ノミナル12月4日)
近地点高度:約335km、 遠地点高度:約342km
【落下の解析】
落下溶融解析の結果では、ほとんどは落下途中に溶融消失。
チタン合金製の推薬タンク2個(各直径約55cm、質量約7kg)が地上まで到達する可能性がある。
【落下の危険性】
上記タンクがまるごと燃えずに落下した場合
「全世界で破片に接触する一人当たりの確率」=3.8×10-15
となっており、これは、JERS-1の大気圏再突入に係る危険性が、米国で定められている基準に比べて十分小さいことを示している。
今回のような宇宙機体の大気圏再突入は、全世界で、年間約150回発生しているが、国連の報告書によれば、「これまで重大な被害はもたらされていない」とのこと。なお、今回と同様な事象に対しては、各国とも特段の対応はとられていないのが現状。