プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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第3回日仏宇宙協力シンポジウムの開催結果について

平成13年6月4日

宇宙開発事業団

 宇宙開発事業団(NASDA)及びフランス国立宇宙研究センター(CNES)は、第3回日仏宇宙協力シンポジウムをフランスのトゥールーズにて5月29日から6月1日にわたり開催しました。また、5月29日及び6月1日はそれぞれボルドー、トゥールーズにてテクニカルツアーを実施しました。

 期間中は、約120名の人々が両国の政府機関、研究機関及び産業界からシンポジウムに参加しました。今回のシンポジウムは、平成9年5月にパリにて開催された第1回、平成11年2月に東京で開催された第2回に続くものです。

 第3回シンポジウムの開催結果の概要は下記のとおりです。

1. 開会式・全体会合

5月30日の開会式では、ベンスーサンCNES総裁及び山之内NASDA理事長の開会の辞に続き、フランス研究省のコスツ技術局長及び文部科学省の塩満宇宙政策課調査国際室長がフランス、日本の宇宙開発の概要についてそれぞれ講演を行いました。

引き続く全体セッションでは、地球観測/災害監視及び宇宙輸送の分野における両国の協力の進展について説明が行われるとともに、過去2年間にわたる宇宙輸送分野での対話の成果として、高速飛行実証フェーズIIに係る了解覚書(MOU)が締結されました。高速飛行実証フェーズIIは、再使用型宇宙機の開発に必要な技術を取得することを目的として、独立行政法人航空宇宙研究所(NAL)、NASDA及びCNESが共同で行う実験です。

2. 分科会

日仏双方の活動と今後の相互協力についてのより詳細な議論は、活動分野ごとに設けられた5つの分科会にてなされました。地球観測/災害監視分科会及び輸送系分科会に加え、今回のシンポジウムでは通信、宇宙ステーション利用及び宇宙科学の3つの分科会が新たに開催されています。

通信分野においては、NASDA・CNESの2機関は通信ワーキンググループの設置に合意し、通信衛星の利用実験として、災害監視・医療・教育等の実験に関する検討を共同して進めていくことが合意されました。

地球観測/災害監視分野において、日仏二国間の協力案件であったADEN(ALOS欧州データノード)計画の欧州において実施体制をさらに充実させることが確認されるとともに、災害に関するチャーター(憲章)にNASDAが参加することを視野に入れ、検討を進めることが合意されました。

3. 産業界の参加

今回のシンポジウムへは日仏両国の航空宇宙企業からも積極的な参加が得られ、宇宙関連活動への各社の取り組みの紹介や今後の更なる協力の可能性に関する議論が行われました。日本から参加した企業は、IHIエアロスペース・石川島播磨重工業・日本電気・三菱重工業・三菱電機(五十音順)で、フランスからはAirbus・ Alcatel Space Industries ・ EADS ・ Intespace ・ Spot Image (これらのフランス企業の施設でテクニカルツアーを実施)ほか多数の企業が参加しました。

4. 閉会式

閉会式では、2日間にわたってなされた議論がブラシェCNES長官によって総括されるとともに、次回のシンポジウムを日本で開催する意向が山之内NASDA理事長から示されました。