宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
国際宇宙ステーションサービスモジュールに本年7月下旬に搭載予定の高精細度テレビジョン(HDTV)カメラを利用した「きぼう」利用多様化のためのパイロット・プロジェクトの最終選考結果について報告する。
(1) | 国際宇宙ステーションにおける日本の実験施設「きぼう」の本格的な利用に向け、宇宙開発委員会宇宙環境利用部会報告(平成12年度)において、「きぼう」の初期利用フェーズの推進方策として、「軌道上研究所」という位置付けを維持しつつ、科学研究や技術開発以外の利用分野や、民間企業などの利用者負担による利用形態への「きぼう」利用の多様化を段階的に推進することが適当とされた。また、そのための推進方策の一つとして、利用の促進及びリスク回避のため、事業団が複数のパイロット・プロジェクトを試行し、その結果を評価した上で、順次、本格的な民間利用に移行するものとしている。 |
(2) | 同報告を受け、本年3月9日に第1回「きぼう」利用シンポジウムを実施し、平成13年度に実施する第1回パイロット・プロジェクトとして、国際宇宙ステーションの一部としてロシアが開発・提供したサービスモジュールに宇宙開発事業団が搭載する高精細度テレビジョン(HDTV)カメラの撮影機会の一部を一般に開放することを発表した。 このため、映像・音声のリアルタイム通信、ビデオ撮影、及び事業団が保有する映像等を組み合わせて利用する事業を当事業団と共同で実施する事業提案を公募した(別紙1)。3月15日から4月20日まで募集を受け付けたところ、10件の応募があった(別紙2)。 |
(3) | 事業団内外の委員から構成する選考委員会(別紙3)で各提案を検討した結果、1件を選定した。 |
(1) | 提案書類をもとに以下の観点による評価細目について評価した。 ○利用拡大効果 ○利用多様化効果(新規性) ○実現性 ○発展性 |
(2) | 書類選考結果集計及び事務局による技術評価をもとに、第一次選考を実施した。 |
(3) | 一次選考の3テーマについて提案者による企画提案会を開催し、各委員が優先順位をつけた。 |
(4) | 企画提案会による評価及び事務局による技術評価・パイロット度評価をもとに最終選考会を実施し、満場一致で1テーマを選定した。 |
(1) | 今後、提案者と共同研究契約を締結する。本計画は「きぼう」を使った広告撮影という新しいタイプの利用に向けた実験であり、また、同時に「きぼう」の多様な利用方法を広報することをも目的とした共同研究であり、実施にあたっては相互に応分の貢献をするものとする。 実施により得られた成果(映像)は共有とする。 |
(2) | 提案者側は早期の実施を希望しており、実施時期等技術的事項についてロシア宇宙庁と調整を行う。 |
(3) | 選考委員会の指摘を踏まえ、選考の過程で不採用となったその他の提案についても、可能な限り別途募集中の「きぼう」利用多様化フィジビリティスタディへの振替や宇宙開発事業団の他の計画での実施等引き続き可能性の検討を行い、利用拡大に配慮する。 |
1. 本パイロット・プロジェクトの目的
「きぼう」利用の拡大・多様化の主な目的として、 2. 第1回パイロット・プロジェクト実施要領本年7月にサービス・モジュールに搭載予定のHDTVカメラ利用を中心とするパイロット・プロジェクトの提案を募集し,1事業者を選定して13年度に実施する。
|
提案内容 | 提案者 | 選考結果 | |
---|---|---|---|
1 | ビデオ制作・販売 | 情報配信会社 | 一次選考で落選(△既存映像対象)*FSに振替 |
2 | 広告実験 | 広告代理店 | 最終選考テーマ(No.10と統合) |
3 | 科学・教育イベント | 重工メーカー、研究所、大学 | 最終選考で落選(△実現性)*広報実験での実施可能性を検討 |
4 | 宇宙での撮影技術向上のためのデータ収集 | 科学系出版会社 | 一次選考で落選(△アピール度)*広報実験で一部採用を検討 |
5 | 自社製品宣伝(食品(宇宙食)) | 菓子メーカー | 一次選考で落選(△実現性) |
6 | 科学系の教育イベント | 教育系の公共団体 | 書類選考で落選(△実現性)*FSに振替 |
7 | 医学実験 | 病院、研究所 | 一次選考で落選(△研究目的) |
8 | 放送番組企画 | 番組企画会社、商社 | 一次選考で落選(△実現性) |
9 | 放送番組企画 | 放送機関 | 最終選考で落選(△新規性)*広報実験で一部採用を検討 |
10 | 広告実験 | 広告代理店 | 最終選考テーマ(No.2と統合) |
○委員長 | |||||||||||||||||||||||||||||
池田 要 | 宇宙開発事業団理事(宇宙環境利用システム本部長) | ||||||||||||||||||||||||||||
○外部委員 | |||||||||||||||||||||||||||||
中野 不二男 | 作家(ISS・JEM広報アドバイザー、シンポジウム準備検討委員会座長) | ||||||||||||||||||||||||||||
田村 和子 | 共同通信社 客員論説委員(ISS・JEM広報アドバイザー) | ||||||||||||||||||||||||||||
大島 まり | 東京大学生産技術研究所 助教授(ISS・JEM広報アドバイザー) | ||||||||||||||||||||||||||||
的川 泰宣 | 宇宙科学研究所 教授 | ||||||||||||||||||||||||||||
○宇宙開発事業団委員 | |||||||||||||||||||||||||||||
堀川 康 |
|
||||||||||||||||||||||||||||
小沢 秀司 | |||||||||||||||||||||||||||||
三輪田 真 | |||||||||||||||||||||||||||||
福田 義也 | |||||||||||||||||||||||||||||
矢代 清高 | |||||||||||||||||||||||||||||
吉冨 進 | |||||||||||||||||||||||||||||
北原 弘志 | |||||||||||||||||||||||||||||
白木 邦明 | |||||||||||||||||||||||||||||
岩田 勉 |