プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士の
「きぼう」日本実験棟アドバンスト訓練実施について(報告)

平成13年12月12日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. 報告事項

 国際宇宙ステーション(ISS)搭乗宇宙飛行士に対するアドバンスト訓練は、各国際パートナー(IP)が分担して実施することになっている。NASDAが実施するアドバンスト訓練のうち、「きぼう」システムの船内実験室及び船内保管室を中心とした訓練(以下「「きぼう」システム(船内系)アドバンスト訓練」という。)を、日米欧の宇宙飛行士に対し実施することとなったので報告する。本年度の訓練期間は平成13年12月から平成14年3月の予定。

2. 経緯

1) 平成8年度より訓練準備を開始し、平成13年9月までに、訓練システムの開発、訓練教材の作成、インストラクタ養成及び認定を終了した。
2) 平成13年9月の訓練準備完了審査会で準備完了を確認後、平成13年10月に他の国際パートナーと調整した結果、平成13年12月より「きぼう」システム(船内系)アドバンスト訓練を実施することで合意した。
3) ISS搭乗宇宙飛行士に対するアドバンスト訓練のうち、NASAモジュールに関する訓練は平成13年4月より数回に分けて実施中で、これまでにNASDA宇宙飛行士注)も参加して2回の訓練が終了した。
注) スペースシャトルの搭乗員も、ISSに長期間搭乗するにあたり、ISSアドバンスト訓練を修了している必要があるため、土井、若田、野口宇宙飛行士とも2回目のNASAモジュールに関するISSアドバンスト訓練から参加している。

3. アドバンスト訓練について

 ISS搭乗宇宙飛行士は図1のフロ―に従い訓練を受けることになっている。
 アドバンスト訓練は、各IPの基礎訓練を修了した宇宙飛行士に対し、ISSシステム/ペイロードに関する知識及び運用に関する共通的理解を与えることを目的とする訓練である。
 NASDAは、「きぼう」システム(船内系、船外系)、日本が提供するペイロードおよびHTVシステムを範囲とする運用訓練を、筑波宇宙センターを拠点として実施することが要求されている。

4. 「きぼう」システム(船内系)アドバンスト訓練の実施計画

4.1 被訓練者(参加宇宙飛行士)

1) NASDA(6名)
土井隆雄、若田光一、野口聡一、古川聡、星出彰彦、角野直子
2) NASA(2名)
未定(NASA内で調整中)
3) ESA(4名)
Leopold Eyharts(フランス)、Thomas Reiter(ドイツ)、
Pedro Duque(スペイン)、Paolo Nespoli(イタリア)

4.2 訓練実施概要

1) 実施場所
筑波宇宙センター宇宙ステーション試験棟
2) 実施方法
2名1組(日本人宇宙飛行士と他IPの宇宙飛行士の組み合わせ)とし、平成14年3月までに計6回実施する(1回の訓練は7日程度で実施)。インストラクタが訓練システム (添付1参照) 等を使用して英語で実施する。
3) 訓練内容
「きぼう」船内系システムの概要、通信制御系、電源系、熱制御系、環境制御系の操作及び異常時の対処、各機能の連係操作等の訓練を行う。

5. 来年度の予定

 ロボットアーム、船外実験プラットフォーム、船外パレット及びペイロードを中心としたアドバンスト訓練は平成14年度に実施する予定である。




添付1:訓練システム及び訓練の様子

船内実験室トレーナ 船内保管室トレーナ

船内実験室トレーナ内部 管制システムトレーナ

講義の様子(リハーサル) トレーナを使った訓練の様子
(リハーサル)

トレーナを使った訓練の様子
(リハーサル)
トレーナを使った訓練の様子
(リハーサル)