宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
宇宙開発事業団(NASDA)において実施中の、大学との連携講座の実施状況について
(1) | 背景 | ||
ア) | NASDAにおいては、宇宙開発委員会基本問題懇談会及び外部評価委員会などにおける議論(参考1)に基づき、広く外部機関との協力関係を構築することについて施策を検討してきた。 | ||
イ) | これに関して、宇宙インフラストラクチャー研究会を通じた緩やかな連携、共同研究の拡充、研究者の招聘拡充などを通じて外部研究機関との協力関係の緊密化を図ってきた(参考2)ほか、新しい試みとして連携大学院制度を取り入れ大学との連携を強化することとした。 | ||
(2) | 大学との連携の目的、意義等 | ||
ア) | 専門性の高い教員、充実した実験設備などを有して宇宙開発の各分野に於いて教育研究を積極的に推進している大学と、それぞれの専門分野に応じて連携することにより、 | ||
i) | 例えばロボティクス・構造系等の先端技術分野における理論研究(大学)と実践(NASDAでの技術開発)との連携 | ||
ii) | 共同研究の構築などによる両者の補完体制の強化を図ることができ、これらを通じてNASDAの開発業務へのフィードバック、研究開発の活性化や人的資源の補強等が期待できる。また、大学に於いても人材の育成、研究課題の方向付けなどの効果が期待できる。 | ||
イ) | NASDAの職員が連携教授又は助教授に任用されることを通じて、職員の技術能力強化が期待できる。 | ||
ウ) | NASDA職員の専門性の高度化(NASDA構内に設置された連携大学院における教育を通じた博士号の取得等)が図れる。 |
(1) 連携の態様
NASDAが実施している大学との連携講座は、その形態により次の2つに大別できる。
ア) | 連携大学院 |
教育、研究の高度化、学際化を図るため、NASDA職員が大学の教授又は助教授(併任教員又は客員教員)に就任し講義を行うとともに、NASDAにおいて学生に直接研究指導(修士論文等)を行う方式。当該教官は単位の認定も含めた指導を行う。 | |
イ) | 出張講義 |
NASDAと大学との共同事業として、NASDAから大学に非常勤講師を派遣して、NASDAが研究・技術開発活動の成果をもとにした専門的知見を紹介する方式。 |
(2) 大学別の実施状況
大学別の連携状況は、現在、次のとおりである。
大学 | 対象 | 連携分野 | 形式 |
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東京工業大学大学院 | 大学院 | 宇宙環境利用、ロボティクス、構造系 | 連携大学院 |
千葉大学大学院 | 大学院 | 地球観測 | 連携大学院 |
鹿児島大学大学院 | 大学院 | 宇宙環境計測 | 連携大学院*1 |
東京都立科学技術大学大学院 | 大学院 | 機構系 | 連携大学院*2 |
早稲田大学理工学部 | 学部3〜4年生 | (機械) | 出張講義 |
*1)平成13年度から連携大学院発足予定。これまでは、オムニバス形式(学部学生対象)による出張講義を実施。
*2)平成14年度の連携大学院設置に向けて準備中。これまでは、オムニバス形式による講義(学部学生対象)を実施。
宇宙開発委員会基本問題懇談会(平成11年5月)
宇宙開発事業団外部評価委員会(平成10年11月)
宇宙開発委員会特別会合(平成12年5月)
宇宙開発委員会基本戦略部会(平成12年12月)
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宇宙開発委員会等における議論を踏まえ、NASDAは外部機関との連携強化を次のとおり図っているところである。 1. 宇宙インフラストラクチャー研究会
我が国の宇宙技術に関する戦略や研究構想を検討するため、平成11年4月に、宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、通信総合研究所(CRL)や関連する大学、国立研究所などの研究者の緩やかな連携により設置された標記研究会に積極的に参画し、将来の技術シナリオや宇宙インフラ構想について議論を行っている。 2. 研究者の招聘拡充
3. 共同研究の実施件数
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(概要) |
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講義題目 | : | 宇宙開発工学特論 |
対象 | : | 機械系専攻の大学院生約30名 |
講義回数 | : | 15回 |
実施時期 | : | 平成12年後期(平成12年10月〜平成13年1月)から |
身分 | : | 連携大学院の教授、助教授。単位の認定を行う。 |
その他 | : | 修士論文及び博士論文の審査を実施。また、平成13年度から大学院生2名を宇宙センターに受入れ、修士論文の指導を予定。 |
(参考:教官) |
小田光茂 技術研究本部 先端ミッション研究センター主任開発部員 博士(工学) 森野美樹 技術研究本部 制御・推進系技術研究部主任開発部員 工学博士 稲場典康 技術研究本部 先端ミッション研究センター副主任開発部員 |
(概要) |
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連携講座名 | : | 物質科学創造専攻 |
NASDA側組織 | : | 宇宙環境利用システム本部 宇宙環境利用研究センター |
実施時期 | : | 平成9年4月〜(継続中) |
経緯/現状 | : |
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