プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

プリント

国際宇宙ステーション組立てミッション(STS-113)
〜 翔べ!きぼうの未来圏へ 〜

平成13年7月11日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

国際宇宙ステーション(ISS)計画の概要

 国際宇宙ステーションは、日・米・欧・加・露の協力により、地上から約400km上空に建設される実験、観測、居住等のための多目的有人施設。
 完成後は7名の人間が常時居住。材料やライフサイエンスの実験、地球・天体観測、通信等の理工学実験など、宇宙の特殊な環境を利用した様々な実験や研究などに10年間以上に亘り使用される。

ISS全体概要図

ISS組立スケジュール

打上げ日(日本時間)フライト番号打上げ機打上げ要素
1998.11.20 1A/R 露/プロトン ザーリャ(FGB)(無人打上げ)
1998.12.04 2A 米/STS-88 ユニティ(ノード1)、与圧結合アダプタ(PMA)ー1, 2
2000.07.12 1R 露/プロトン ズヴェズダ(サービスモジュール)(無人打上げ)
2000.10.12 3A 米/STS-92 Z1トラス、PMA-3
2000.10.31 2R 露/ソユーズ ソユーズ (ここより3人の宇宙飛行士が常駐:約4ヶ月)
2000.12.01 4A 米/STS-97 P6トラス、太陽電池パドル、ラジエータ
2001.02.08 5A 米/STS-98 米国実験モジュール(デスティニー:U.S. Lab)
2001.03.08 5A.1 米/STS-102 補給艤装フライト(NASDA実験装置等)/長期滞在クルー交代
2001.04.20 6A 米/STS-100 カナダ遠隔マニピュレータシステム
2001.07.12予定 7A 米/STS-104 エアロック
2002.07 予定 ULF1 米/STS-113 (TBD) 利用補給フライト/長期滞在クルー交代
2004.02 予定 1J/A 米/STS-126 (TBD) きぼう船内保管室、ロシア太陽電池パドル
2004.05 予定 1J 米/STS-127 (TBD) きぼう船内実験室、きぼうロボットアーム
2004.10 予定 1E 米/STS-131 (TBD) 欧州実験モジュール
2005.01 予定 2J/A 米/STS-133 (TBD) きぼう船外実験プラットフォーム、きぼう船外パレット
2005.09 予定 16A 米/STS-138 (TBD) 米国居住モジュール
2006.04 予定 UF7 米/STS-143 (TBD) 生命科学実験施設(セントリフュージ) (組立完了)

ISSの現状(2001年6月現在)

STS-113直前のISSの様子

STS-113飛行計画

<飛行計画>
・フライト名 ULF1(Utilization and Logistics Flight:利用補給フライト)
・スペースシャトル飛行番号 STS-113
・オービター スペースシャトル「エンデバー号」
・打上げ予定 平成14年(2002年)7月
(飛行計画は、作業の進捗により変更される場合があります。 )
・打上げ場所 NASAケネディ宇宙センター
・軌道傾斜角 51.6度
・搭乗員数 7名
・飛行予定期間 11日間
<ミッション概要>
  • スペースシャトルとして16回目の国際宇宙ステーション組立てミッション(ロシアによる組立てミッションを含めると20回目)。

  • 実験ラック等の補給物資を搭載した多目的補給モジュール(MPLM)をスペースシャトルの貨物室に搭載して打ち上げます。スペースシャトルとISSがドッキングした後、スペースシャトルのロボットアームで貨物室からMPLMを取り出し、ISSに取り付けます。クルーがMPLM内へ入室し、実験ラックや補給品を搬入/搬出します。作業終了後、MPLMは再びスペースシャトルの貨物室に格納され、地上に持ち帰ります。

  • ISSの船外に取り付ける外部保管プラットフォーム(ESP)等も輸送します。

  • 本フライトで第6次滞在クルー(3人)を地上からISSへ運び、第5次滞在クルー(3人)をISSから地上へ帰還させます。



スペースシャトルの貨物室に搭載されたMPLMの様子(STS-102時)

STS-113キャッチフレーズ

翔べ!きぼうの未来圏へ
<選定理由>
 初めてのフライトに向けての意気込み、日本が命運をかける「きぼう」モジュールへの繋がり、そして未来・きぼうといったポジティブなイメージを連想させること。(「未来圏」は宮沢賢治の「春と修羅」第4集から引用。)

宇宙飛行士のライフサイクル

これまでの訓練の様子


T-38ジェット機飛行訓練(1997年頃NASA)

シミュレータを使ったSokol気密服着用での
ソユーズ訓練(1998年7月ロシア)

Orlan宇宙服訓練
(1998年8月ロシア)

船外活動訓練(2001年5月NASA)

シャトルのシミュレータ訓練
(2001年5月NASA)

開発支援業務


「きぼう」船内での試験

「きぼう」外壁の点検

共通実験装置(温度勾配炉)のクルーレビュー