プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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スペースシャトル・アトランティス号(STS-98/国際宇宙ステーション組立ミッション(5A))の打上げについて(報告)

平成13年1月17日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. 報告事項

 スペースシャトル・アトランティス号(STS-98/国際宇宙ステーション組立ミッション(5A))の打上げについて報告する。

2. 打上げ計画

 米国時間1月15日のNASAの発表によると、1月19日に実施することとしていたスペースシャトル・アトランティス号(STS-98/国際宇宙ステーション組立ミッション(5A))の打上げを延期し、2月6日以降に変更した。
 延期の理由は、昨年12月1日に打上げられたスペースシャトル・エンデバー号(STS-97/国際宇宙ステーション組立ミッション(4A))で発生した固体ロケットブースター切り離し火工品点火ケーブルの不良について、「アトランティス号」に対しても再点検が必要と判断した為である。

3. スペースシャトル・アトランティス号(STS-98/5A)のミッションの概要

 スペースシャトル・アトランティス号によるSTS-98/5Aミッションは、シャトルによる国際宇宙ステーション(ISS)の組立フライトとしては7回目。ロシアのロケットによる打上げを含めると10回目の組立フライトである。(プログレス補給船による補給フライト2回を除く)
 この飛行では米国実験棟(デスティニー)を打上げ、軌道上でマニピュレータシステム(RMS)と3回の船外活動(EVA)によって組み立てる。
 (STS-98/5Aフライト飛行計画概要を別紙に示す。)

4. 米国実験棟(デスティニー)の概要

 米国実験棟(デスティニー)はISSの最初の実験棟であり、微小重力を利用した実験設備を、目的に応じて交換することができると共に、ISSの環境・電力・通信等を制御する装置を備えている。米国実験棟(デスティニー)の内部は地上と同様な環境が保たれており、地上と同様な服装で過すことができる。打上げの際は、ISSの環境制御装置などを収容したシステムラック5個をあらかじめ取付けて打上げる。実験装置は2001年3月に予定されている次のミッションSTS-102/5A.1以降に順次打上げされる予定である。

5. 米国実験棟(デスティニー)の取付け作業について

 米国実験棟(デスティニー)はISSのノード1に取付けられるが、米国実験棟(デスティニー)を取付ける場所には、現在時点では与圧結合アダプター2(PMA-2)が設置されていることから以下の図の通りに取付け作業を行うことになっている。

6. 今後の組立予定

 次回ISS組立フライトは、スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-102)による5A.1フライトの打上げが2001年3月1日以降に予定されており、HRF(Human Research Facility)実験装置ラックの入った多目的補給モジュール(レオナルド)が打上げられる予定である。
 HRFラックは、有人医学分野のライフサイエンス研究に使われる実験ラックであり、同分野の各種実験装置が設置され、NASDAの中性子モニタ装置(BBND)も含まれる。



STS-98/5Aフライト飛行計画概要


項目計画
オービタ名称 アトランティス号(アトランティス号としては23回目の飛行)
打上げ日時
(予定)
2001年 1月19日午前2時11分(米国東部標準時間)
2001年 1月19日午後4時11分(日本時間)
ロンチウインドウ 5分以内
打上場所 フロリダ州NASAケネディ宇宙センター(KSC)39A発射台
飛行期間 約11日間
搭乗員数
5名
コマンダー ケネス・コックレル
パイロット マーク・ポランスキー
ミッションスペシャリスト ロバート・カービーム
ミッションスペシャリスト マーシャ・アイビンズ
ミッションスペシャリスト トーマス・ジョーンズ
軌道高度 投入高度:約320km(173海里)
軌道傾斜角 51.6度
帰還日時
(予定)
2001年 1月29日午後 9時51分(米国東部標準時間)
2001年 1月30日午前11時51分(日本時間)
帰還予定場所
主帰還地: フロリダ州NASAケネディ宇宙センター(KSC)
代替帰還地: カリフォルニア州
 NASAドライデン飛行研究センター(DFRC)
主要搭載
ペイロード
カーゴベイ 米国実験棟(デスティニー)
デスティニーの諸元
 長さ:28フィート(約8.5m)
 直径:14フィート(約4.3m)
 重量:31000ポンド(約14t)
 収容ラック数:23個
ミッドデッキ ISSへの補給品