本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
1. 報告事項
第23回宇宙ステーション利用計画ワークショップの開催結果について報告する。
2. 開催目的
本ワークショップは、宇宙ステーション利用に関する我が国の推進体制、宇宙環境利用研究の実施状況等について、利用者の理解を深め、利用の拡大を図るとともに、利用者の意見をとりまとめ、今後の宇宙ステーションの利用計画等に反映することを目的として、昭和60年より開催している。
3. 開催概要
(1) 日 程 |
: |
平成13年7月23日(月)、24日(火)、25日(水) |
(2) 場 所 |
: |
砂防会館 シェーンバッハ・サボー |
(3) 主 催 |
: |
宇宙開発事業団(事務局支援:(財)宇宙環境利用推進センター) |
(4) 後 援 |
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文部科学省 |
(5) 協 賛 |
: |
28団体 |
(6) 対 象 |
: |
主として、宇宙環境利用に関係のある又は関心のある研究者、企業、一般人等。(参加資格に関して特段の制限はない) |
(7) 参加費 |
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無料 |
4. 開催結果(開催プログラムは別紙参照)
(1) |
参加者数(延べ人数) |
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1日目 |
: |
281名 |
(内訳) |
企業・一般 |
203名 |
2日目 |
: |
248名 |
大学 |
95名 |
3日目 |
: |
157名 |
官庁・国研等 |
239名 |
合 計 |
: |
686名 |
講演者等 |
128名 |
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宇宙環境利用研究委員会委員 |
21名 |
(2) |
各プログラムにおける主な結果 |
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1. |
第1日目(総論) |
第1日目は国際宇宙ステーション及び「きぼう」の利用をとりまく現状と展望に関する総論的な内容とした。「ISS利用の展望」と題して各国宇宙機関の代表を招聘し、それぞれのISS利用準備状況について紹介するとともに、今後NASAから発表される宇宙ステーション利用計画の変更を想定した課題について討論を行った。その結果、クルータイムの重要性が認識され、クルータイム増加の手段を検討するとともに、一方、限られたクルータイムを有効に活用できるよう、今後国際協力を通じて調整していくことで意見が一致した。 「利用多様化に向けた取組」及び「先導的応用化研究の現状と展望」に関するプレゼンテーションについては、今後の取組に対する期待がアンケート結果にも反映されている。
井口システム長を座長とするパネルディスカッション「宇宙環境利用の現状と将来」においては、研究システムアドバイザの中川久定氏(国際高等研究所副所長)、佐藤文隆氏(甲南大学教授)及び向井千秋宇宙飛行士による今後の宇宙環境利用に対する考え方が述べられるとともに、意見交換などを行った。 会場からの反応も良く、アンケート結果においても高い評価を受けた。
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2. |
第2日目(船内実験室関連) |
船内実験室等の利用に関する3分野(微小重力科学分野、ライフサイエンス分野、宇宙医学分野)の分科会を開催した。午前中に全般的事項に関する報告を行い、午後は各分野での課題等について紹介、討論等を行い、各テーマ毎にユーザからの意見、今後の取組方策等についてとりまとめを行った。
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各分科会でのテーマは以下のとおり: |
微小重力科学分野 |
: |
(1)「第1回微小重力国際公募の取組」
(2)「地上研究公募の方向性」
(3)「微小重力物理学研究の進め方」 |
ライフサイエンス分野 |
: |
「ライフサイエンス研究シナリオと重点研究領域について」 |
宇宙医学分野 |
: |
「Human Factors研究分野について」 |
また、午前の各分科会において、NASAのISS計画の現状及び問題点についてMichael Hawes氏(Deputy Associate Administrator for Space Station, NASA Office of Space Flight Development)から紹介がなされ、活発な質疑がなされた。実験装置の開発経費削減についての質問では、現段階でははっきりしたことは言えないが、NASAとしても本件を重要視しており、予算の確保に尽力しているとの回答を得た。 |
3. |
第3日目(船内実験プラットフォーム関連) |
船外実験プラットフォーム等の利用に関する3分野(地球科学・地球観測分野分科会、宇宙科学・天体観測分野分科会、技術開発分野)の分科会を開催し、トピック、課題等について紹介、討論等を行い、各テーマ毎にユーザからの意見、今後の取組方策等についてとりまとめを行った。
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各分科会でのテーマは以下のとおり: |
地球科学・地球観測分 |
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「ISS船外実験施設利用の有効性と限界、解決へのアプローチ」 |
宇宙科学・天体観測分野 |
: |
「ISS船外実験施設の総合的利用による宇宙科学と国際協力」 |
技術開発分野 |
: |
「フラッグシップと技術開発ロードマップのデザイン」 |
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(3) |
アンケート結果抜粋(回収数:約150) |
1.開催時期について
・企業:企業の夏休みシーズンは避けて欲しい。
・研究者:大学の試験等のため出席できない。
・例年どおり6月末〜7月初めが望ましい。
2.今後取り上げたいテーマ
・宇宙ステーションの現状と将来
・宇宙実験成果
・日本の開発計画
・ステーションの運用 等
3.来年のワークショップに期待すること
・宇宙機関代表によるディスカッションは意義深い。
・科学分野以外のアプローチを期待する。
・パネルディスカッションにもっと時間をかけて欲しい。
・ポスターセッションを行ってほしい。
4.その他
・議事録等を公開して欲しい。
・休憩時間が欲しい。 |