プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

プリント

AMSR-Eの状況について

平成14年5月27日

宇宙開発事業団

 米国航空宇宙局(NASA)が5月4日に打ち上げた米国地球観測衛星Aqua(アクア)に搭載している改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E)について、5月24日にお知らせしたAMSR-Eのセンサユニット信号処理部(SPS)からテレメトリデータ及び観測データが送信されていないという現象に関しては、25日午前0時5分(日本時間)に、回復していることを確認しました。

 その後テレメトリデータ及び観測データともに、継続的に送信されていることを確認していましたが、数時間に一回程度の頻度でデータの乱れが発生しておりました。
 さらに27日午前1時頃以降に受信した観測データを解析したところ、観測値の全てが0を示す異常があることが判明しました。なおテレメトリデータについては、継続的に取得されています。

 宇宙開発事業団では、原因究明チームを設置してこれらの事象の原因究明並びに対策検討を行っています。

 調査結果につきましては、判明次第お知らせいたします。



参 考

Aqua打上げから現在までのAMSR-Eに関する運用経緯


主要イベント完了日時(日本時間)
打上げ 5月4日 午後6時54分58秒
Aqua分離 5月4日 午後7時54分頃
Aqua太陽電池パドル展開 5月4日 午後8時13分頃
AMSR-E電源オン 5月4日 午後8時50分頃
AMSR-Eヒンジヒータオン 5月4日 午後9時44分頃
AMSR-E主反射鏡展開 5月4日 午後11時00分頃
AMSR-Eセンサユニット保持開放 5月4日 午後11時55分頃
AMSR-Eセンサユニット初期回転運用(毎分4回転) 5月5日 午前0時16分頃
≪AMSR-E SPSのテレメトリが乱れる事象発生≫ 5月15日 深夜
 →これ以降、不定期に発生
ランアップ1(毎分4回転→12回転) 5月16日 午後11時41分頃
ランアップ2(毎分12回転→18回転) 5月17日 午前2時58分頃
≪AMSR-E SPSのテレメトリが更新されない≫
→SPSのオフ/オンを実施し復帰する
5月17日 午前4時36分頃
ランアップ3(毎分18回転→21回転) 5月18日 午前3時43分頃
ランアップ4(毎分21回転→24回転) 5月19日 午前7時31分頃
ランアップ5(毎分24回転→29回転) 5月19日 午後10時20分頃
ランアップ6(毎分29回転→34回転) 5月19日 午後11時55分頃
≪衛星システム電源系の異常検知により、
Aqua衛星本体が安全モードに移行≫
5月20日 午前1時10分頃
自動シーケンスによる移行(毎分34回転→4回転)
毎分4回転で待機  
ランアップ7(毎分4回転→29回転) 5月22日 午後10時42分頃
ランアップ8(毎分29回転→34回転) 5月23日 午後11時58分頃
ランアップ9(毎分34回転→40回転) 5月24日 午前2時26分頃
観測モード移行完了 5月24日 午後6時5分頃
【 プレスリリース(観測モード移行完了) 】 5月24日 午後6時30分
≪AMSR-E SPSのテレメトリが送信されない≫ 5月24日 午後6時36分頃
  →SPSのオフ/オンを実施したが、復帰できない。  5月24日 午後6時42分
  →   同上 5月24日 午後9時13分
  →   同上 5月24日 午後10時00分
【 プレスリリース(SPSテレメトリ異常の速報) 】 5月24日 午後11時20分
SPSからのテレメトリの送信を確認 5月25日 午前0時05分
以降、27日午前1時頃まで、テレメトリデータ及び観測データが継続的に送信されていることを確認。 〜5月27日 午前1時頃
≪観測データの内容が全て0を示す異常があることが判明≫ 5月27日 午前1時頃
≪テレメトリデータ及び観測データの送信は確認されているが、
観測データの内容については、全て0を示している。≫
〜現在