本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
第16回CEOS本会合の概要
日 程: |
平成14年11月20日〜21日 |
場 所: |
ESA欧州宇宙研究所(ESRIN) (伊、フラスカティ) |
参加者: |
文部科学省(蔭山)、NASDA(古濱理事、村越調査役、石田主任開発部員、内藤主査、五味パリ駐所長)、気象庁、ESA地球観測局長(CEOS議長)、NASA地球科学局長、NOAA地球環境局長、EUMETSAT(欧州気象衛星機関)長官ほか、各国宇宙機関、国連機関、国際研究計画等の代表、計約100名。 |
(参考) 地球観測衛星委員会(CEOS)の概要
CEOSの目的
- 衛星計画、データ成果品、フォーマット、サービス、データ応用利用及びデータ政策で宇宙からの地球観測の便益を高める
- 地球変動研究を含む、宇宙からの地球観測活動の国際調整を行う
- 地球観測システムの補完性・整合性を促進するため、政策・技術情報を交換する
CEOSの主な活動
- 1984年の創立以来、23の宇宙機関と20の政府・国際機関が参加
- CEOSの2002年議長はESA
- 本会合(plenary)と2つの作業部会(WGISS・WGCV)等から成る
- CEOSはIGOSパートナーシップの一員であり、IGOSの戦略強化のため、戦略実施チーム(SIT)を設立
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IGOSパートナーシップ加盟機関
CEOS(地球観測衛星委員会)、GCOS(全球気候観測)、GTOS(全球陸域観測システム)、GOOS(全球海洋観測システム)、WCRP(世界気候研究計画)、IGBP(国際地圏・生物圏研究プログラム、ICSU(国際学術会議)、UNEP(国連環境計画)、UNESCO(国連教育科学文化機関)、IOC-UNESCO(政府間海洋委員会-国連教育科学文化機関)、FAO(国連食料農業機関)、WMO(世界気象機関 |
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CEOSメンバー機関
ASI (イタリア宇宙機関)
BNSC (英国国立宇宙センター)
CAST (中国空間技術研究院)
CSA (カナダ宇宙庁)
CNES (仏国立宇宙研究センター)
CONAE (アルゼンチン国立宇宙機関)
CSIRO (オーストラリア連邦科学産業研究機構)
DLR (ドイツ航空宇宙センター)
EC (欧州共同体)
EUMETSAT (欧州気象衛星機構)
ESA (欧州宇宙機関)
ISRO (インド宇宙研究所) |
INPE (ブラジル国立宇宙研究所)
KARI(韓国航空宇宙研究所)
NASA (米国航空宇宙局)
NOAA (米国海洋大気局)
NRSCC (中国リモートセンシグセンター)
NSAU (ウクライナ国立宇宙機関)
ROSHYDROMET (ロシア水文気象機構)
RASA (ロシア航空宇宙庁)
MEXT/NASDA (日本、文部科学省/宇宙開発事業団)
SNSB (スウェーデン国立宇宙機関)
USGS (米国地質調査所) |
主要議題
- 「持続可能な開発に関する首脳会議(WSSD)フォローアップ計画」の審議
- 第9回気候変動枠組条約 締約国会議.(COP9)へ向けた「国際研究計画」との連携強化
- CEOS 5カ年計画の採択
WSSDフォローアップ計画の審議
- CEOSのWSSDフォローアップ計画(2003〜05年)の実施
- ・CEOS議長(ESA)からWSSD実施計画文書に対応して、1)教育訓練、2)水資源管理、3)災害管理、4)気候変動、5)地球地図/GISの協力分野を提案、初年度は1)と2)を優先分野として実施することを決定。
- ・1)はNOAAが主導し、宇宙空間平和利用委員会(OOSA)が参加、2)はMEXT/NASDAとESAが主導。
- 持続可能な開発委員会(CSD)との連携強化
- ・MEXT/NASDAから、CSDとの連携強化のため、CEOSを国連のCSDへ登録し、CEOSのWSSDフォローアップ計画につき報告するよう提案し、決定された。
「国際研究計画」との連携強化
- 第9回気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC COP9)へ向け「国際研究計画」との連携の強化
- ・MEXT/NASDAから、CEOSと「国際研究計画」との連携を強化し、COP9の審議の準備に取り組むことを提案、決定された。
(参考) COP8(2002年10月、ニューデリー)において、日本提案に基づき、「国際研究計画」から報告を受け、候変動に関する研究のニーズと優先度について恒常的に検討を行う旨決定。
「国際研究計画」: 世界気候研究計画(WCRP)、国際地圏・生物圏研究計画(IGBP)等
「CEOS 5カ年計画」の採択
- CEOSの戦略文書が見直しされ、新たに「CEOS5カ年計画」として採択
- MEXT/NASDAの提案により、UNFCCC等の条約締約国会議との連携や持続可能な開発への貢献がCEOSの戦略として認められた。
- 衛星データの利用促進のための方策の検討やデータ利用ワークショップの開催が優先事項に盛り込まれた。
新CEOS議長の就任
- NOAAウィティ地球環境衛星情報サービス局長が新議長(2002年11月〜03年11月)に就任。以下の活動に重点を置くことを表明。
- IGOSパートナーシップの強化
- 衛星データ利用促進
- WSSDフォローアップ計画
- 国際衛星調整メカニズムの改善
- 次期CEOS議長(2003年11月〜2004年11月) に中国のグアンファン科学技術大臣が就任することを中国代表が発表。
今後の取り組み(WSSDフォローアップ)
- CEOSが今後数年にわたり、「WSSDフォロー アップ計画」の実施に取り組むことは極めて重要。我が国は次により貢献。
- ・「教育訓練」
NASDA、GISTDA、LAPAN及びAITによるWSSDタイプ2パートナーシップである「アジア太平洋地球観測パイロットプロジェクト」を通じて貢献する。 - ・「水資源管理」
日本が主導する全球水循環観測(CEOP)が本年10月から開始されているので、これを通じて水資源管理の向上に貢献する。
GISTDA: 地理情報・宇宙技術開発機関(タイ) LAPAN:インドネシア航空宇宙研究所 AIT:アジア工科大学
今後の取り組み.(国内関係省庁との連携強化)
我が国が「WSSDフォローアップ計画」の実施に今後大きく貢献していくためには、国内関係省庁との連携強化が重要。
- 教育訓練 - 外務省(技術協力)
- 水資源管理 - 気象庁、国土交通省河川局、農水省
- 災害管理 - 気象庁、国土交通省
- 気候変動 - 環境省、気象庁
- 地球地図/GIS - 国土交通省国土地理院