プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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「きぼう」利用多様化に向けた第1回フィジビリティスタディならびに第1回パイロットプロジェクトの成果報告会について

平成14年5月7日

宇宙開発事業団

 宇宙開発事業団(NASDA)は、平成13年7月に選考した国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」利用多様化のための9件のアイデアについて、平成14年3月まで実施可能性の検討(フィジビリティスタディ)を行い、その評価を3月に行いました。また第1回「きぼう」利用多様化パイロットプロジェクトとして、1件を平成13年6月に選考いたしました。
 一般の方々に対し、今後の「きぼう」の利用多様化について、ご理解を深めていただくことを目的として、第1回フィジビリティスタディ及び第1回パイロットプロジェクトについて提案者による成果報告会を下記のとおり実施いたします。

日時 平成14年5月17日(金) 10:00〜17:30
場所 宇宙開発事業団本社 NASDAi プレゼンテーションルーム
東京都港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービル28階
備考 どなたでも参加できます。(座席数は50席)
この成果報告会についての問い合わせ先は"きぼう利用相談室"
電話:03-3438-6639 までお願いします。
添付1 第1回フィジビリティスタディ及び第1回パイロットプロジェクト実施結果について
添付2 成果報告会プログラム (5月14日現在)
以上

*本情報につきましては、次のインターネットアドレスでもご覧いただけます。



第1回フィジビリティスタディ及び第1回パイロットプロジェクト実施結果について

「きぼう」利用多様化に向けた第1回フィジビリティスタディ実施結果について

 平成13年度より宇宙開発事業団(NASDA)は、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の利用多様化をめざした新たなアイデア募集とその実現可能性についての検討(フィジビリティスタディ)を実施しています。
 第1回のアイデア募集では、平成13年7月に行われたNASDA内外の専門家による選考委員会で、34件 の応募から9つのアイデアが選ばれ、フィジビリティスタディを行ってまいりました。平成14年3月に行われた選考委員会で 評価した結果、4つのアイデアについてフィジビリティスタディを継続し、そのうち1つについては、先進性、実現性が高いことから、平成14年度はパイロットプロジェクトとして実施に向け、詳細検討を進めることが決定致しました。



「きぼう」利用多様化第1回パイロットプロジェクト実施結果について

「きぼう」の利用を様々な分野、形態に広げる第1回「きぼう」利用多様化パイロットプロジェクトとして、国際宇宙ステーションのロシア提供部分「サービスモジュール」に宇宙開発事業団が搭載するカメラを利用するアイデアを公募し、10件の提案から株式会社電通の「国際宇宙ステーション映像を活用したCM制作・実施プロジェクト」を平成13年6月に選考いたしました。

 フィジビリティスタディ及びパイロットプロジェクト各テーマの内容及び実施結果については下表をご覧下さい。

第1回フィジビリティスタディ選定テーマの実施結果

テーマ・提案者名【上段】テ ー マ 概 要
【下段】実 施 結 果
1 宇宙ロボットコンテスト

石川島播磨重工業(株)
北澤幸人 氏
(教育・エンターテイメント)
 無重量下でロボットに競技を行わせるロボットコンテストを、教育面での利用拡大も考慮の上実施する
 宇宙ロボットコンテストの開催に向けた各種課題を検討するための研究会を発足し、技術的な課題や、コンテスト開催に適した組織の検討を行った。「きぼう」打ち上げまでの期間に開催するプレイベントの計画と、モデルゲームの提案を中心に検討を行った。
(平成13年度で研究終了)
2 スターメール

(株)アイ・エイチ・アイ・エアロスペース
山中勉 氏
(事業化)
 ISS(「きぼう」)を経由するメッセージサービス
 サービスを実施するための検討を行い、次年度からビジネスを開始するためのベースを確立した。
(提案者側の事業化に必要な利用制度の確立及び技術的検証のためのパイロットプロジェクトとして実施)
3 宇宙ガーデニング

石川島播磨重工業(株)
桑田知之 氏
(教育・事業化)
 宇宙飛行士のヒーリング・教育等を目的とした簡易な植物栽培
  「きぼう」内での栽培に適した植物の種や栽培方法を検討するために研究会を発足し、植物種の選定や宇宙機内での栽培の技術的課題の検討を行った。
(平成13年度で研究終了)
4 利用拡大のための宇宙における食文化の検討

女性宇宙フォーラム
大貫美鈴 氏
(文化)
 宇宙食に係るデータ整理、宇宙食・パッケージの提案・開発等
 既存の宇宙食の調査や内外の宇宙飛行士へのアンケートやインタビュー、専門家のヒアリングを通じた情報収集を行い、宇宙食に要求される要件を整理した。
(平成13年度で研究終了)
5 利用拡大のための宇宙における服飾の検討

女性宇宙フォーラム
大貫美鈴 氏
(文化)
 素材や機能やデザインの観点から宇宙での日常着の検討・提案 
 現行の宇宙服に関する技術情報を収集し、宇宙飛行士へのアンケートやインタビュー等も実施して、宇宙活動に適した、また宇宙飛行士の健康維持にも寄与する日常着のための課題の整理を行った。日本女子大学多屋助教授の協力を得て、試作品の製作に必要な技術的要求を抽出した。
(宇宙飛行士への応用・事業化の可能性について共同研究を継続)
6 宇宙VIマーク作成&ブランド化プロジェクト

(株)電通
弦本克彦 氏
(事業化)
宇宙VIマークの開発とNASDAの提供可能なリソースとのリンケージをはかりミニスポンサーシップに向けたモデルを考察する。
NASDA関係者との制度検討等のディスカッションを行い、ISSをテーマにしたミニスポンサーシップの実施に向けた、諸課題の抽出、事業目的の明確化の検討を行い、またISSに関連する事項の認知度に関する市場調査を行った。
(平成13年度で研究終了)
7 搭載カメラを利用した宇宙教育システム

東日本国際大学
浅井義彦 氏
(教育)
 「きぼう」に搭載するカメラを活用したリアルタイム教育システムをはじめとした教育システムの検討
 「きぼう」を使った宇宙教育システムを検討する研究会を発足し、宇宙教育に適したコンテンツや必要とされるネットワークの検討を行った。また、教育の現場で宇宙をテーマとした実験授業を行った。
(教育コンテンツの作成など教育現場への応用について共同研究を継続)
8 無重量環境における東アジア古代舞踊の試み/敦煌・飛鳥舞踊図(飛天図)との比較研究

お茶の水女子大学(東洋琴学研究所)
石黒節子(稗田浩雄) 氏
(文化)
 古代の飛天図を無重量の視点から再考察し、無重量下で芸術的に古代の飛天図を再現して演技する試み
 飛天の舞に関する中国敦煌の文献や資料を収集し、それに基づき「きぼう」内での舞踊の型を検討した。また、航空機による無重量状態での舞踊を行い、宇宙機内での実現性の検討を行った。
(平成13年度で研究終了)
9 アートの効果的活用に関する試行的プロジェクト

女性宇宙フォーラム
大貫美鈴 氏
(文化)
 宇宙とアートの融合や、アートを通じた「きぼう」のイメージ表現の試み
 武蔵野美術大学の逢坂卓郎教授の研究チームと連携し宇宙飛行士とのディスカッションなどを通じて科学技術とアート(文化)の融合に関する考察を行うとともに、航空機の無重量実験も行って「きぼう」内でのアート表現やその意義を検討した。
(フライトやイベントへの応用について共同研究を継続)

第1回パイロットプロジェクト選定テーマの実施結果

  国際宇宙ステーション映像を活用したCM制作・実施プロジェクト

株式会社電通
宇宙ステーションでシナリオに基づいた本格的なCMを撮影し放映するプロジェクト
 株式会社電通のクライアントとして選ばれた大塚製薬株式会社のポカリスエットをロシアのソユーズロケットで国際宇宙ステーションに打上げ、予め訓練した2名のロシア人宇宙飛行士がカメラマン及びアクターとなり、2度の地上からのリアルタイムの遠隔ディれクションを行った上で高精細度テレビジョンカメラ(HDTV)での撮影を行った。持ち帰ったフィルムは編集してテレビ放映し、CMの効果測定も行った。

<本報告会及びフィジビリティスタディ・パイロットプロジェクトについての問い合わせ先>

 きぼう利用相談室(宇宙環境利用事業促進室)
  〒105-8060 東京都港区浜松町2-4-1世界貿易センター宇宙開発事業団内
  電話 : 03-3438-6639
  FAX : 03-5777-0354
  e-mail : kibo-sokushin@nasda.go.jp


「きぼう」利用多様化に向けた第1回フィジビリティスタディならびに
第1回パイロットプロジェクトの成果報告会
【 プ ロ グ ラ ム 】

日 時 平成14年5月17日(金) 10:00〜17:30
会 場 宇宙開発事業団本社 NASDAiプレゼンテーションルーム
(5月14日現在)
09:30 受付開始
10:00-10:05 開会挨拶
宇宙開発事業団 きぼう利用相談室長 吉富進
10:05-10:15 開催趣旨説明
きぼう利用相談室 田淵光彦
10:15-11:00 「アートの効果的活用に関する試行的プロジェクト」
武蔵野美術大学/逢坂卓郎 氏
11:00-11:45 「搭載カメラを利用した宇宙教育システム」
東日本国際大学/浅井義彦 氏
11:45-12:15 「利用拡大のための宇宙における服飾の検討」
女性宇宙フォーラム/大貫美鈴 氏
12:15-12:30 「宇宙ガーデニング」
(石川島播磨重工業(株)/桑田知之 氏)代理発表 宇宙開発事業団 矢野幸子(予定)
12:30-13:45   <昼 食> 
13:45-14:15 「利用拡大のための宇宙における食文化の検討」
女性宇宙フォーラム/大貫美鈴 氏
14:15-14:30 「宇宙ロボットコンテスト」
(石川島播磨重工業(株)/北澤幸人 氏)代理発表 宇宙開発事業団 中村泰(予定)
14:30-15:15 「無重量環境における東アジア古代舞踊の試み/敦煌・飛鳥舞踊図(飛天図)との比較研究」
お茶の水女子大学/石黒節子 氏 ならびに東洋琴学研究所/稗田浩雄 氏
15:15-15:30   <休 憩> 
15:30-16:15 「スターメール」
(株)アイ・エイチ・アイ・エアロスペース/山中勉 氏
16:15-16:30 「宇宙VIマーク作成&ブランド化プロジェクト」
((株)電通/弦本克彦 氏)代理発表 宇宙開発事業団 内冨素子
16:30-17:15 「ISS映像を活用したCM製作・実施プロジェクト」
(株)電通/高松聡 氏
17:15-17:30 閉会挨拶
宇宙開発事業団 きぼう利用相談室長代理 福田義也