宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
H-IIAロケット3号機の打上げ整備作業状況について報告する。
全体スケジュールを図-1に示す。
極低温点検については、天候の悪化による発雷が予想されたことから、当初予定の平成14年8月24日から8月26日に変更した。尚、これによる打上げ日への変更はない。
(1) | 極低温点検 8月23日に機体移動を実施したが、その後、翌24日に発雷が予想されたため、機体を一時VABに戻した。これにより極低温点検を26日に変更した。 8月26日にターミナルカウントダウンを3回実施し、所定のシーケンスを確認した。 クイックレビュー結果を表-1に示す。 現在、極低温点検後の処置等を実施中である。 |
(2) | 衛星フェアリング DRTS及びUSERS宇宙機を搭載済み 作業用ドア類のシーリング、フェアリング分離用火工品の取付を実施中。 |
(3) | DRTS フェアリング内に搭載済み(8月20日) 衛星モニタ及びバッテリ補充電を引き続き実施中 |
(4) | USERS宇宙機 フェアリング内に搭載済み(8月23日) バッテリ補充電を引き続き実施中 |
(1) | 極低温点検後の点検、最終機能点検 |
(2) | 衛星/フェアリング結合後の作業用ドア類のシーリング、フェアリング分離用火工品の取付を引き続き実施。 |
(3) | 衛星フェアリング(DRTS/USERS搭載済み)の機体への結合 |
(4) | DRTS及びUSERSについては、衛星モニタ及びバッテリ補充電等を引き続き実施するとともに、衛星システム点検を実施 |
No | 項 目 | 確認項目 | 確認結果 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 推進薬充填状態での機体・設備健全性確認 | 以下の主要機能・データに異常が無いことを確認する。
|
以下の主要機能・データが良好であり、極低温点検の目的が達成できたと判断する。
(特記事項)
尚、上記問題点については、試験後に必要な処置を実施し打上げに望む予定。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||
2 | 射場系との電波リンク確認 | テレメータ、レーダ、コマンドの電波リンク確認 (中之山局から宇宙ヶ丘局への移設に伴う確認) |
機体と射場系との電波リンク良好であることを確認。 |
![]() |
【現象】 8月26日17時のX時刻に向けたターミナルカウントダウンにおいて、X-25秒で機体内のヒータ(4本のSSB、2段アンテナ)をOFFとする処理において「全てOFF」との判定条件が整わなかったため緊急停止した。 【原因】 詳細については調査中であるが、機体内のヒータが個別にはOFFとなっているため、電気系設備内の判定部分に原因があると推定。 【その後の対応】 設備の問題であることから、F-0後に本現象のメカニズム究明を行うこととし、判定条件を無効として再度本日の極低温点検を実施した。 |
![]() 8月21日 DRTSフェアリング搭載 |
![]() 8月21日 DRTSフェアリング搭載 |
![]() 8月22日 DRTS下部フェアリング収納 |
![]() 8月23日 USERS/衛星分離部結合 |
![]() 8月23日 USERSフェアリング搭載 |
![]() 8月25日 USERS上部フェアリング収納 |
![]() 機体移動(8月25日) |
![]() 移動発射台(8月25日) |
![]() 指令管制室(8月26日) |
![]() 燃料充填済みの機体 (8月26日) |