宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
H-IIAロケット3号機の打上げ整備作業状況について報告する。
全体スケジュールを図-1に示す。
9月2日に衛星フェアリング/ロケット機体との結合が計画通り終了し、9月10日の打上げに向け、順調に作業が進行中である。
(1) | 極低温点検 極低温点検後の後処置及び点検作業を実施。また、極低温点検にて見られた要処置事項の処置を行った。(次々項参照) |
(2) | 衛星フェアリング/機体結合 9月2日に衛星フェアリング(DRTS、USERS宇宙機搭載済み)とロケット機体とを結合した。 |
(3) | DRTS 衛星システム点検を実施(9月3日) 衛星モニタ及びバッテリ補充電を引き続き実施中。 |
(4) | USERS宇宙機 衛星システム点検を実施(9月3日)。 バッテリ補充電を引き続き実施中。 |
(1) | DRTS及びUSERSについて、衛星モニタ及びバッテリ補充電等を引き続き実施。 |
(2) | 打上げへ向けた審査会を実施。その後、カウントダウン作業を行い、9月10日にDRTS、USERS宇宙機の打上げを行う。 |
![]() PSD:エンジン入口配管内を流れる液体酸素の脈動を抑制する装置 |
【現象】 8月26日17時のX時刻に向けたターミナルカウントダウンにおいて、X-25秒で機体内のヒータ(4本のSSB、2段アンテナ)が「全てOFF」との判定条件が整わなかったため緊急停止した。 【極低温点検時の対処】 機体内のヒータが個別にはOFFとなっているため、電気系設備内の判定部分に原因があると推定。判定条件を無効として再度ターミナルカウントダウンを実施した。 【処置状況】 ログの詳細解析、プログラムの再検証を行った結果、電気系制御卓において処理プログラムには問題はなく、ヒータOFFの処理中にOS(UNIX)に一時的なトラブルが発生したことにより、自動停止に至ったと推定。尚、不具合の要因として再カウントダウン作業のための計算機の過負荷が考えられる。 対策として計算機の負荷を軽減する運用を行うと共に、ヒータOFFの監視は、個別に判定を行っていることから、打上げに支障のない電気系制御卓単独での事象により自動停止とならないよう判定項目を見直した。 |
![]() 9月2日 衛星フェアリングSFA搬出 |
![]() 9月2日 衛星フェアリング移動 |
![]() 9月2日 衛星フェアリング/機体結合 |
![]() 9月2日 衛星フェアリング/機体結合 |
達成度 | 定義 【】内は判断時期 | ||||
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レベル0 (失敗) |
打上げ失敗または衛星の全面的な機能喪失。 【打上げ直後】 |
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レベル1 (失敗だが一部のデータを取得) |
下記の様なケースが想定される。
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レベル2 (目標達成不十分) |
実験対象宇宙機(ADEOS-II等、以下同様)との衛星間通信実験を実施し、衛星間通信の機能確認を行った結果、一部の機能が喪失していた場合。Sバンド/Kaバンド系のいずれかの機能喪失、フォワード/リターンのいずれかの機能喪失など。(添付参照) 【実験対象宇宙機とのデータ伝送機能確認終了時】 |
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レベル3 | 実験対象宇宙機との衛星間通信実験において基本的な機能が正常に作動し、DRTS経由のデータ等の伝送に支障がないと判断される。 【実験対象宇宙機とのデータ伝送機能確認終了時】 |
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レベル4 | 実験対象宇宙機との間の衛星間通信実験において、捕捉追尾・高速データ伝送等の機能・性能が正常であり、7年間にわたり運用を継続できる。 【7年間のミッション期間終了時】 |