プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

プリント

DRTS/USERS 宇宙機/H-IIA・F3の打上げ結果について(速報)

平成14年9月11日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1.H-IIAロケット3号機の結果概要

■H-IIAロケット3号機を種子島宇宙センター吉信射点(LP1)から平成14年9月10日(火)17時20分00秒(日本標準時)に打ち上げた。

■H-IIAロケット3号機は予定された飛行経路を順調に飛行し、リフトオフから14分22秒後にUSERS宇宙機を所定の軌道に投入。

■その後、第2段エンジンの再着火も正常に行われ、リフトオフ後29分37秒後にDRTSを所定の軌道に投入。


2.H-IIA ロケット3号機の打上げシーケンス



3.H-IIA ロケット3 号機 飛行経路(速報)



■軌道投入精度

USERS 計画値 飛行結果 軌道投入誤差(3σ)
軌道長半径(km) 6828 6829 1 ±8
離心率 0.000 0.000 0.000 0〜0.001
軌道傾斜角(度) 30.40 30.40 0.00 ±0.10


DRTS 計画値 飛行結果 軌道投入誤差(3σ)
遠地点高度(km) 36206 36203 -3 ±180
近地点高度(km) 450 449 -1 ±4
軌道傾斜角(度) 28.5 28.5 0.0 ±0.02

(注)飛行結果:各衛星の追跡データにより決定された軌道


■特記事項

 試験機1号機・2号機の打上げ時に見られたフェアリング開頭時の微粉について、画像データを確認した範囲では、微粉の発生は大幅に改善された模様である。尚、今後引き続き評価を行う。

■今後の計画

今後3号機の飛行結果について詳細に解析を実施する。



カウントダウン作業の状況(参考)

■カウントダウン作業が順調に行われ、当初計画通り9月10日17時20分に打上げを行った。主な作業実績を以下に示す。

9/10 04:30 機体移動

9/10 08:00 ターミナルカウントダウン

● 推進薬およびヘリウム気蓄器への充填
● 機体位置・姿勢自動初期設定
● 電波系統点検(ロケット/地上設備組合せ点検)
● 姿勢制御系作動点検
● 風観測データに基づく飛行プログラムの更新(その1)
● 人員配備確認
X-60分 X-60分ターミナルカウントダウン
X-20分頃 ● 風観測データに基づく飛行プログラムの更新(その2)
X-10分 X-10分ターミナルカウントダウン
X-480秒 ● 秒読み開始

X-270秒 ● 自動カウントダウン開始
X-260秒 ● タンク加圧開始(各タンク順次開始)
X-180秒 ● 設備電源から機体搭載電池へ切り換え
X- 80秒 ● 発射台下部の水素ガス処理用トーチ点火・煙道注水
X- 30秒 ● セーフアーム(火工品誤動作防止)装置作動
X- 18秒 ● 誘導制御系飛行モードへ切り換え
X- 15秒 ● SRB-A駆動用電池起動(X-6秒に作動確認)
X-11.7秒 ● エンジンからの水素ガス処理用トーチ点火
X-4.7秒 ● LE-7Aエンジン着火
X- 0秒 ● SRB-A点火(リフトオフ条件確認後)


9月10日 17時20分 リフトオフ