プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

プリント

H-IIAロケット3号機の打上げ結果について

平成14年9月18日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

3号機の目的及び結果概要

【目的】

 H-IIAロケットにより、次世代型無人宇宙実験システム(USERS)宇宙機を高度約450kmの円軌道に、データ中継技術衛星「こだま」(DRTS)を静止トランスファ軌道に投入する。

【結果概要】

 H-IIAロケット3号機を平成14年9月10日(火)17時20分に打上げた。
  • USERS宇宙機を所定の軌道に投入した。
  • 「こだま」(DRTS)を所定の軌道に投入した。

H-IIAロケット3号機の打上げシーケンス

(注) 小数点以下を四捨五入し、分秒で表示
実測値:打上げ後のデータ評価を反映した値。

飛 行 経 路

軌道投入精度

USERS宇宙機計画値飛行結果誤差
軌道長半径(km) 6828  (±8) 6829 1
離心率 0.000 ( 0〜0.001) 0.000 0.000
軌道傾斜角(度) 30.400 ( ±0.10) 30.398 -0.002

「こだま」(DRTS)計画値飛行結果誤差
遠地点高度(km) 36206 ( ±180) 36203 -3
近地点高度(km) 450 ( ±4) 449 -1
軌道傾斜角(度) 28.500 ( ±0.02) 28.505 0.005
(注)飛行結果:各衛星の追跡データにより決定された軌道

試験機から3号機以降へ向けた対策の結果

特記事項

リフトオフ前、第1段エンジンアクチュエータ舵角が一時的に変動した。
固体補助ロケット(SSB)第2ペア燃焼圧力が燃焼途中から低下した。(ロケットの加速度には影響が見られない事から計測系の問題と推定)

まとめ

複数の衛星を所定の軌道に投入した。
これまでの評価の結果、試験機からの反映事項も含め、各コンポーネントにおける機能・性能が良好であることを確認した。
今後、飛行データの評価を継続し、H-IIAロケットの信頼性をさらに向上させるための適切な処置を講じる。