プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

プリント

H-IIAロケット3号機 極低温点検の結果について

平成14年8月26日

宇宙開発事業団

 宇宙開発事業団は、平成14年8月26日に、種子島宇宙センターにおいてH-IIAロケット3号機(H-IIA・F3)の極低温点検を実施し、終了いたしました。

 極低温点検は、打上げ当日と同じ手順で液体燃料を充填し、ロケットおよび地上設備の機能等を確認するものです。



クイックレビュー結果


No項  目確認項目確認結果
1 推進薬充填状態での機体・設備健全性確認 以下の主要機能・データに異常が無いことを確認する。
(1) 自動充填機能

(2) 常温・極低温ヘリウム気蓄器高圧漏洩点検

(3) 極低温下でのバルブ作動確認

(4) 自動カウントダウンシーケンス
(第1段エンジン点火相当秒時までのシーケンスおよび自動緊急停止項目の確認)

以下の主要機能・データが良好であり、極低温点検の目的が達成できたと判断する。

(1) 自動充填機能 良好に充填できることを確認。

(2) 常温・極低温ヘリウム気蓄器高圧漏洩点検

気蓄器の圧力降下データが規定値以下であることを確認。

(3) 極低温下でのバルブ作動確認

バルブ作動良好。

(4) 自動カウントダウンシーケンス 自動カウントダウンシーケンスが正常に進み、計画通り第1段エンジン点火相当秒時で緊急停止した。




(特記事項)
(1) 第1段酸素系の設備予冷に時間を要した為、X時刻を10:30から13:00に変更した

(2) 自動カウントダウンシーケンス1回目、X-47秒において、1段推進系ポゴ抑制装置の液位確認用の温度センサデータが判定値を外れた為緊急停止した。原因は上下2カ所の温度センサ信号が逆転していた可能性が高いこと及び当該データは取得できたことから、このセンサ信号を判定項目より外し、再度自動カウントダウンを実施した。

(3) 自動カウントダウンシーケンス2回目、X-25秒において、機体内のヒータをOFFとする処理において、緊急停止した。電気系設備内の判定部分に原因があると推定されるため判定条件を無効として再度自動カウントダウンを実施した。

(4) 自動カウントダウンシーケンス3回目、第1段エンジン点火相当秒時までのシーケンスが正常に進むことを確認した。


尚、上記問題点については、試験後に必要な処置を実施し打上げに望む予定。
2 射場系との電波リンク確認 テレメータ、レーダ、コマンドの電波リンク確認
(中之山局から宇宙ヶ丘局への移設に伴う確認)
機体と射場系との電波リンク良好であることを確認。