プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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H-IIAロケット4号機打上げ整備作業状況について

平成14年12月4日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1.打上げ整備作業全体スケジュール

11月2日から種子島において打上げ整備作業を開始。11月28日には極低温試験を実施し、所期の目的を達成。現在12月14日の打上げに向け計画通り作業中。

2.主要作業実績

(1)極低温試験
極低温試験を11月28日(木)14時に実施。計画通り所定のシーケンスを確認。クイックレビュー結果を表-1に示す。
尚、準備作業において1段液体酸素注排液弁(OFDV)に逆圧を印可した事により、X時刻を10時から14時に変更。逆圧を印可したOFDVについては11月30日〜12月1日に交換済み。
(2)衛星/フェアリング結合
11月26日にADEOS-IIを衛星分離部に結合。11月30日にADEOS-IIをフェアリング内に収納。

3.今後の主要作業予定

(1)12月6日にフェアリングと機体を結合
(2)12月14日ADEOS-II/H-IIA4号機打上げ



表-1 H-IIAロケット4号機 極低温試験 クイックレビュー結果について

No項目確認項目確認結果
1 推進薬充填状態での機体・設備健全確認 以下の主要機能・データに異常が無いことを確認する。
  1. 自動充填機能
  2. 常温・極低温ヘリウム気蓄器高圧漏洩点検
  3. 極低温下でのバルブ作動確認
  4. 自動カウントダウンシーケンス
    (第1段エンジン点火相当秒時までのシーケンスおよび自動緊急停止項目の確認)
以下の主要機能・データが良好であり、極低温試験の目的が達成できたと判断。
  1. 自動充填機能
     良好に充填できることを確認。
  2. 常温・極低温ヘリウム気蓄器高圧漏洩点検
     気蓄器の圧力降下データが規定値以下であることを確認。
  3. 極低温下でのバルブ作動確認
     バルブ作動良好。
  4. 自動カウントダウンシーケンス
     自動カウントダウンシーケンスが正常に進み、計画通り第1段エンジン点火相当秒時で緊急停止した。

(特記事項)
 液体酸素充填作業中 1段液体酸素注排液弁(OFDV)へ最大約1MPaの逆圧を印加。
 逆圧がかからないよう処置を施すと共に、OFDVの健全性を確認し極低温点検作業を再開した。

2 射場系との電波リンク確認 テレメータ、レーダ、コマンドの電波リンク確認 機体と射場系との電波リンクが良好であることを確認。

1段LOX注排弁(OFDV)逆圧印加について

(現象)
LOX自動充填時、2段LOX系の機能点検を実施するために充填を停止したところ、OFDVに約1.05MPa(規定:0.04MPa以下)の逆圧が印加された。
(原因)
充填弁の閉状態を、より簡素なステップで検知するよう4号機から変更したが、充填弁の閉動作時間との関係から、充填弁が閉になる前にOFDVが閉になった。
(処置)
・検知条件をF3と同じ条件に戻すと共に、OFDVの健全性を確認し、極低温試験作業を実施した。
・逆圧を印加したOFDVについては交換・点検を実施した。

11月27日 機体移動

11月27日 機体移動

11月28日 極低温試験

11月22日 衛星支持部/衛星分離部結合

11月26日 ADEOS-II/衛星分離部結合

11月30日 ADEOS-IIフェアリング収納

図-1 打上げ整備作業全体スケジュール