プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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H-IIAロケット4号機 極低温点検の結果について

平成14年11月28日

宇宙開発事業団

 宇宙開発事業団は、平成14年11月28日に、種子島宇宙センターにおいてH-IIAロケット4号機(H-IIA・F4)の極低温点検を実施し、終了いたしました。

 極低温点検は、打上げ当日と同じ手順で液体燃料を充填し、ロケットおよび地上設備の機能等を確認するものです。

 今回の極低温点検実施にご協力いただきました関係各方面に、深く感謝いたします。



H-IIAロケット4号機 極低温点検 クイックレビュー結果について

No項目確認項目確認結果
1 推進薬充填状態での機体・設備健全性確認 以下の主要機能・データに異常が無いことを確認する。
  1. 自動充填機能
  2. 常温・極低温ヘリウム気蓄器高圧漏洩点検
  3. 極低温下でのバルブ作動確認
  4. 自動カウントダウンシーケンス
    (第1段エンジン点火相当秒時までのシーケンスおよび自動緊急停止項目の確認)
以下の主要機能・データが良好であり、極低温点検の目的が達成できたと判断する。
  1. 自動充填機能
     良好に充填できることを確認。
  2. 常温・極低温ヘリウム気蓄器高圧漏洩点検
     気蓄器の圧力降下データが規定値以下であることを確認。
  3. 極低温下でのバルブ作動確認
     バルブ作動良好。
  4. 自動カウントダウンシーケンス
     自動カウントダウンシーケンスが正常に進み、計画通り第1段エンジン点火相当秒時で緊急停止した。

(特記事項)
 液体酸素充填作業中 充填作業を停止したところ、1段液体酸素注排液弁(OFDV)へ最大約1MPaの逆圧を印加した。
 逆圧がかからないよう処置を施すと共に、OFDVの健全性を確認し極低温点検作業を再開した。

2 射場系との電波リンク確認 テレメータ、レーダ、コマンドの電波リンク確認 機体と射場系との電波リンク良好であることを確認。



1段LOX注排弁(OFDV)逆圧印加不具合 (参考)

(現象)
LOX充填シーケンスを手動停止(通常の手順)したところ、本来充填弁が閉となった後OFDVを閉にする必要があるが、先にOFDVが閉となりOFDVに約1.05MPaの逆圧を印加した。


(原因)
充填弁の閉状態を、より簡素なステップで検知するようF4から変更したが、充填弁の閉動作時間との関係から、充填弁が閉になる前にOFDVが閉になった。


(処置)
・検知条件をF3相当の条件に戻した。
・OFDVの健全性については、漏れがないことを確認し、極低温点検作業を継続した。
・上記の原因究明および処置のため、X-0時刻を14時に変更した(4時間遅れ)。