本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
1.選定の経緯及び結果
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平成14年4月上旬より5月31日まで、ホームページ掲載や自治体、大学、産業界等の関係方面への周知及び全国8カ所で交流会を開催するなど、当該制度の研究テーマ公募を行った。 |
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その結果、小型軽量化技術や廉価・短期間製造プロセスなど中小ベンチャー企業が保有する斬新なアイディアやユニークな技術を活かしたテーマ44件の応募があった。 |
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宇宙応用化の可能性、独創性・新規性の高さ、社会的波及効果などを勘案し、航空宇宙技術研究所及び宇宙開発事業団と共同研究することが適当なテーマ21件を選定した。
| 応募件数 | 選定件数 |
| 戦略研究 |
19件 |
5件 |
| 芽だし調査研究 |
25件 |
16件 |
| 小計 |
44件 |
21件 |
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今後、選定された各研究テーマについて、航空宇宙技術研究所及び宇宙開発事業団より共同研究者を設定し、平成15年2月末までベンチャー企業と共同研究を実施する。 |
2.これまでの成果
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平成12年度以降、当該制度を通じて、中小ベンチャー企業と宇宙開発事業団技術者との間で積極的な技術交流を図るなど産業界との連携・協力を推進してきた。 |
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これまでの研究テーマの中には、国内外において特許申請するなど宇宙応用化目前といえるレベルの高い成果をあげているほか、引き続き、実用化に向け、宇宙開発事業団との共同研究を実施しているテーマもある。
- ○液化アンモニアによる熱交換用超小型ギアポンプシステムの開発
- 人工衛星搭載用機器の小型軽量化及び長寿命化に寄与
- 人工透析用のポンプ、人工心臓など医療機器分野への展開
- ○衛星監視用グラフィックディスプレイの開発
- 人工衛星の運用業務(通信可能時間、機器温度変動、電圧・電流変化把握など)での利用
- 教育機関(学校、図書館等)での視覚障害者用認識端末として利用
- ○超耐熱材料SiNBCセラミックの開発
- 再使用型宇宙往還機の再突入耐熱システムや燃焼器材料として適用
- 化学プラントや高温ガスタービンなど耐高温部材への適用
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3.今後の進め方
当該制度は、宇宙・航空分野のみならず、民生分野への技術的、学術的な波及効果のほか、産学官連携・協力事業の柱として「オープンラボ構想」をはじめとする宇宙利用の拡大に大きく寄与することが期待されるため、新機関の重要な役割を担うよう積極的に運営していきたい。
平成14年度 宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度 選定テーマ概要(戦略研究)