プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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国際宇宙ステーション(ISS)計画に参加する宇宙機関長会議の共同声明について

平成14年12月6日

宇宙開発事業団

 国際宇宙ステーション(ISS)計画に参加している日本・米国・ロシア・欧州・カナダの各極宇宙機関は、本日、日本(東京)において、宇宙機関長会議(HEADS OF AGENCIES MEETING: HOA)※を開催し、下記 のとおり共同声明文を発表しましたので、お知らせいたします。

※参加宇宙機関長
・米国航空宇宙局(NASA)長官(議長) ショーン・オキーフ氏
・ロシア航空宇宙局(Rosaviakosmos)長官 ユーリ・N・コプテフ氏
・欧州宇宙機関(ESA)長官 アントニオ・ロドータ氏
・カナダ宇宙庁(CSA)長官 マーク・ガルノー氏
・宇宙開発事業団(NASDA)理事長 山之内 秀一郎



【宇宙機関長会議共同声明文】(仮訳)
(日本/東京)
2002年12月6日


 平成14年12月6日、米国、欧州、カナダ、日本及びロシアの宇宙機関長は、国際宇宙ステーション(ISS)に係る協力についての評価及びその促進を図ることを目的として、日本(東京)において一堂に会した。
 一同は、ISSを構成する要素の開発と建設、および本年6月の前回会議にて採択したISS計画におけるアクションプランの実施において著しい進展があったことを詳細に評価した。このアクションプランは、ISSにおける利用要求及びリソース要求を満足する見直し計画案を選定するため、国際パートナがここ6ヶ月間調整を行う枠組みを設定したものであった。

 本会議において、一同は、ISSの研究施設の活用を増大させ、2006/2007年頃には最大のISS利用を図る見直し計画案について全会一致で賛成した。ISSの機能を段階的に拡張し、長期滞在クルーを増加させることにより、ISS科学研究計画が拡充される。クルーの帰還機能は、はじめに追加したソユーズ宇宙船により、最終的にはソユーズ宇宙船および米国のクルー輸送機により提供される。また、追加のスペースシャトル、および他の輸送手段により、この比類無い軌道上の研究施設機能が増強される。

 また、一同は残された国際パートナの組立要素の建設に続くISSの最終形態を選定するプロセスについて合意した。このプロセスに従い、今後、技術およびプラグラム面の評価、コストの推算、各パートナによる内部予算の評価を行う。これにより、2003年3月に推奨される最終形態の検討案を設定することに合意し、2003年6/7月までに見直したISSの最終形態案を選定し、2003年12月までに最終形態に合意することになる。

 国際パートナは、継続して成功しているISSの建設を賞賛すると共に、残されたISSの要素を計画どおりに開発することを確認した。また、重要な国際パートナの要素を2004年2月までに建設することの期待を表明した。これにより、それに続く国際パートナのISS利用および基盤となる要素の受け入れが可能となり、2006/2007年頃には科学的および技術的な機能が強化される。
 また、最近の出来事として、恒久的なISSの有人滞在が3年目を向かえたこと、および第6次長期滞在クルーの打ち上げが成功したことを強調した。このクルーは、すべての国際パートナのために、宇宙フロンティアの開拓を進めつつ、地上での生活向上を図るために、ISSの建設作業に従事するとともに、重要な科学実験を実施していく予定である。
 国際パートナは、パートナシップに基づき世界レベルの研究施設の建設が進み、その利用拡大が図られるにつれ、この前例なき国際協力によりいっそうの目に見える利益がもたらされることを期待する。