本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
高速飛行実証(その1)の概要
ジェットエンジンを内蔵したHOPE-Xにほぼ相似の機体を自動離陸させ、所定の高度に達した後、再使用型宇宙輸送系に特有な急角度の進入降下・着陸を模擬することにより、急角度の進入降下を伴う進入・着陸システムの検証等を行う試験。
これまでの飛行実験と高速飛行実証(その1)の位置付け
高速飛行実証(その1)の目的
高速飛行実証(その1)の主要目的は次の通り。
- 再使用型宇宙輸送系用進入・着陸システムの検証
再使用型宇宙輸送系に特有な急角度の進入降下を伴う進入・着陸システムの検証を行う。
- 自律飛行技術の蓄積
自動離着陸を含む自律飛行可能な機体の開発をとおして、再使用型宇宙輸送系に必須な自律飛行技術の蓄積を図る。
高速飛行実証(その1)の飛行概要
高速飛行実証機(その1の形態)
全備質量:735kg
全長:3.8m
全幅:3.0m
高速飛行実証(その1)の進捗状況
高速飛行実証機(その1)
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(平成14年2月14日 富士重工業宇都宮製作所にて撮影) |
クリスマス島
イーオン飛行場滑走路
高速飛行実証(その1)用地上施設
今後の予定
- 5月〜6月に米国にて高速走行試験を実施
- 高速走行試験:
- 高速飛行実証機(その1)の発進から離陸直前までおよび着地直後から停止までの走行安定性、機体姿勢の引き起こし、引き下げ等の確認を行う試験
- 7月中旬からクリスマス島にて機体等の整備を開 始し、8月〜10月に飛行試験を実施
高速走行試験
高速飛行実証の全体計画
高速飛行実証(その1)および(その2)を合わせた全体計画は下図のとおり。昨年9月に発生したテロ事件の影響を受け、高速走行試験の実施に係わる米国内での手続き等が遅延したため、各試験の実施時期に遅れが出ているが、当初からの目標である高速飛行実証の平成15年度終了に問題はない。
(参考)高速飛行実証(その2)の概要