プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

プリント

高速飛行実証フェーズI第2回飛行実験の結果について

平成14年11月6日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。


第2回飛行実験の概要

【目的】
 高度2.5kmから経路角13度の進入経路への経路追従性能力について確認する。

【結果】
(1)発進日時: 平成14年11月5日(火) 午前5時22分(現地時間)
   (5日(火) 午前0時22分(日本時間))
(2)飛行時間(発進から停止まで): 約18分30秒
(3)着陸時の天候: 晴れ、東の風、風速約3m/s(瞬時値)
(4)停止点
 滑走路*端からの距離:
 滑走路中心線からの距離:
約1130m   (滑走路*:長さ1800m)
約1.6m
(5)高度保持時の高度: 約2500m  (計画値:2500m)
(6)高度保持時の対気速度: 約80m/s
(7)経路追従時の経路角: 約13°  (計画値:13°)
(8)経路追従時の最大速度: 95m/s



第2回飛行実験の飛行経路




主要シーケンス・オブ・イベント

イベント実績(暫定値)計画
発進 0秒 0秒
離陸 18秒 20秒
第1回旋回開始 1分27秒 1分24秒
上昇終了 2分20秒 2分08秒
第2回旋回開始 5分51秒 5分42秒
経路追従開始 7分52秒 7分44秒
第3回旋回開始 10分35秒 10分14秒
上昇開始 10分35秒 10分14秒
上昇終了 12分15秒 11分55秒
最終旋回開始 15分25秒 15分02秒
主脚接地 18分10秒 17分39秒
ブレーキ開始 18分22秒 17分50秒
停止 18分36秒 18分04秒



経路追従性能確認(緩経路角) 

確認項目結果(要求値)
・正しく経路に追従することができること。 ・経路角:
  13度 (13度)
・横変位最大値:
  位置指令に対して11m (±50m以内)
・高度誤差最大値:
  高度指令に対して-3m (±15m以内)
・引起し模擬が正しく行われ、水平飛行に移れること。 ・垂直荷重倍数:
  +1.1G (+2.5G以下)
・引起し後高度:
  323m  (目標300m)



初回実験時の着陸時バウンド現象対策
及び第2回実験での結果(速報)

【対策】
 初回実験で着陸時にバウンド現象が見られ、これは脚からの反作用として、スピンナップ荷重を考慮していなかったため、頭下げ角速度が予想より大きくなったためと推定し、機体モデルの改善を行った。改善後の機体モデルを基に接地後の姿勢制御コマンドを調整した。

【結果】
 下図に示すとおり、バウンド現象を抑制することが出来た。今後、詳細に解析を行い、改善した機体モデルの確認を行う。


初回実験と第2回実験の着陸状況



飛行実験当日作業状況


機体搬出前点検

機体搬出

着陸後点検

着陸後点検



まとめ

■ 第2回の飛行実験において、予定した緩経路角での経路追従性能を確認した。

■ 今後の計画は、本実験にて得られたデータ等を詳細に評価した上で設定する。